秘密の存在２【H×H】 (ページ2)

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４１、彼女なりの理由ページ2

【ソフィア side】

「それにしても、随分と人間らしくなりおって」

こてりと首を傾げる。人間らしく、なったのだろうか。

「少なくとも、感情は学んだじゃろ。無闇やたらに殺すこともなくなったしの」

「それは、確かに」

昔、人間について学べと言われたとき、複数用意された人間を殺してしまったことがある。理由は、ない。強いていうなら、物事を強要されて機嫌を損ねた自分にしつこく話しかけたせいだろう。
あの時に比べれば確かに、人間らしくはなったと思う。

「やれやれ。ジンの奴め、厄介ごとを持ち出すだけ持ち出して放置しおって……」

「一応貴方たちにとって得にはなったのだからいいんじゃないかしら？」

「阿呆。誰の意思にも従わん上に他者は従わせられる化け物なぞリスクでしかないわい」

自然と笑みを深める。すると、ネテロの表情が読めないものから明らかに驚いているものへと変わった。

私は、他者を従わせられる。他者を喰らって力を増やすことも出来る。それをネテロはわかっている。
理解者がいるのは良いことだと、知った。気分が良い。自分を知っている者がいるというのは、案外安らげるものらしい。それが受け入れた上でありのままに受け止めてくれてるなら何より。

「ネテロ。私、予想以上に人間らしくなってるのかもしれないわ」

「ほお。何故じゃ？」

「私のことを知ってて受け入れてくれてる人が好きだと、今気付いたの。貴方も入るかも？」

言えば、彼はパチクリと瞬きした後に視線をさ迷わせた。殊更に厄介だと言いたげに眉を寄せて、けれど頬は緩んでいる。
ぽりぽりと頬を掻いた後、ネテロは話題を変えた。

「あー……お前さん、どうして廊下に居たんじゃ？まだ朝早いじゃろ」

「ちょっと探検かしら。そうだ、貴方ゴンを知らない？皆が寝てる場所に居なかったのよね」

「あやつなら儂が今出てきた部屋で寝ておるよ。先程までちとゲームをしておったんでの、起こさんでやってくれんか」

「じゃあ、時間が来た時に起こすわ」

「それが良い」

会話は始まったときと同じく唐突に終わり、ネテロは廊下を歩いていく。私は彼が出てきた部屋に入り、大の字ですやすやと眠るゴンの側に座った。

それから少し経った頃、開いた扉から入室したのはクラピカだった。