９、果実は手間隙かけて…… ページ10
【ヒソカ side】
「おや、すみ……ヒソカ」
舌足らずで甘い声がボクの耳に届く。思わず手を止めてソフィアの顔を見る。
ああ……なんて無防備な表情で寝てるんだ、キミは……
艶やかな薄紫の髪、今はまた隠れてしまった深紅の瞳、大人と少女の中間をとった美しい果実……
すり、すり、と髪の滑らかさを堪能してから手を離す。
ボクとしてはこのままずっと触れていたいんだけど、生憎とボクはやらなきゃいけないコトがある。
寝室を出ると、ちょうど通話を終えたイルミが此方を向いた。
「あ、クロロにヒソカ。オレ母さんに呼ばれたから帰るよ。キルが家出したらしくてさ」
「そうかい◇」
「これ、ソフィアに渡しといて。面白そうだから依頼あったら連絡してって言ってね」
ピッと投げられた紙をキャッチする。それを確認すると、イルミは扉から去っていく。
彼もなんだかんだでソフィアが気に入ったようだ。いつもは仕事が終わればすぐに帰っていたのに、わざわざ仮眠してまで此処にいたくらいだ。
結局帰ってったけど、素直じゃないなァ。そう思いながらボクはクロロに声をかける。
「団長、ボクも少し出掛けてくるよ◇」
「ああ。……ヒソカ」
「なんだい？◆」
扉へ向かいかけた足を止めて振り返れば、どこか困ったような表情のクロロと目が合った。
「見たところ携帯どころか無一文のような気さえしたんだが、イルミはどうやって依頼貰う気だ……？」
「………◆」
「公共の物からか……？」
イルミの投げ渡した紙を見れば、番号とアドレスが丁寧な字で書いてある。ヒソカの携帯にも登録されているもので、私用兼仕事用のものだとすぐにわかった。
思えば風呂上がりのソフィアは何も持たず何も着けずだった。どう考えても所持品のしょの字もない。携帯なんて持ってないだろう。
そこまで考えて、ふと抱き締めたときの柔らかさを思い出して背筋をゾクゾクとしたものが走った。
あの細腕が感知できない速さでボクを投げた……とても、イイ……。
手塩にかけて大事に、じっくりと育てれば強く成長する。彼女であるならば自ら動くのも悪くない。
とはいえ、何から何まで世話する気なんてなかったのだけど……気が変わった。
「とりあえずは最低限の衣服だよね……◇」
サイズは抱き締めた時に調べたし、適当に見繕って買ってきて明日一緒に彼女の好みの物を買いにいけばいい。
旅に持っていける生活必需品を思い浮かべながら、ヒソカもまたホテルの部屋から姿を消した。
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澪 - オチ希望出来ればヒソカでお願いしたいです。 (2021年9月9日 7時) (
レス) id: 790f68b113 (このIDを非表示/違反報告)
クロ(プロフ) - ヒソカの花嫁さん» ヒソカの花嫁様、コメントありがとうございます！ヒソカ希望いただきましたー！何もなければご希望に答えてヒソカオチか、オチごとに小説を分けるか致しますので、評価ボタンを押して楽しみにお待ちください！← (2019年5月6日 21時) (レス) id: dcc16283b8 (このIDを非表示/違反報告)
ヒソカの花嫁(プロフ) - オチ希望はヒソカでお願いしたいです！ (2019年5月6日 21時) (レス) id: 6af5523d08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クロ | 作成日時：2019年4月8日 3時
