４、とりあえずの場所移動 ページ5
「ちょっと待った。いくらなんでもそのまま行くのは駄目だろう」
クロロからの制止に、女は「なんで？」と言いたげに首を傾げた。
「髪にも、ドレスにも、血が付着してる。せめて俺たちの泊まっているホテルで落としていくといい」
女は体を見下ろして、それから髪を摘まむ。ついた血はとっくの昔に乾いていて、美しいだろう容姿は血まみれの土まみれの埃まみれで台無しだった。
見ていたヒソカも頷いて首肯する。
「確かにそうだね◆そうさせてもらおうか◇……キミ、名前は？」
「ソフィアというの」
良い名だ、と柔らかく笑むヒソカに笑い返す。すると、埃まみれであっても美しい笑顔にヒソカは見るからにご機嫌になった。
「そうか◆ボクはヒソカ、彼がクロロ。あっちの瓦礫に座ってるのはイルミだ◆」
「……別に、隠してないけどさ。個人情報バラされると複雑だよね」
「……そうだな」
イルミとクロロが心底複雑そうに言った言葉に、ソフィアがころころと笑う。
「仲が良いのね」
「は？どこが」
「行動が似てるから？」
イルミの視線が圧を増す。思わずソフィアはこてりと首を傾げた。
「……少し付き合いが長いビジネスパートナーってだけ」
数秒の沈黙の後に、解せない、と言いたげな雰囲気でイルミが視線を外す。
「仲が良いかどうかは、ともかくだ。ヒソカ、彼女を連れていくならせめて身綺麗にさせてやれ。目をつけられるぞ」
「ボクはもう目をつけられてると思うケド◆まぁ、その辺の一般人にまで絡まれるだろうし、そうする◇」
「わっ」
ヒソカが同意しながらソフィアを横抱きに抱えた。驚き半分、戸惑い半分ですがり付く。
「重いし、汚いと思うのだけど」
「女性を重いなんて言えないし、ボクにとっては羽よりも軽いな◇」
力強い腕に支えられ、ぐっと近くなったヒソカとの距離にどうしたらいいかわからなくなる。
そうこうしている内に、今度は大きな布がソフィアの体にかけられた。
「これで隠すといい」
「え、あの」
「大丈夫だ。俺は見られないよう別の道から戻る」
かけられたのは、クロロのコート。どうして下に何も着ていないのか疑問は尽きないが、上半身裸になった彼は「先に行く」と言い残して廃墟から消えていった。
「じゃ、ボクらも行こうか◆」
「いや、ちょっと」
ソフィアの制止も空しく、ヒソカとイルミは歩き出す。
この状態だと恥ずかしいというソフィアの訴えは、降ろしたくないヒソカによって却下された。
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澪 - オチ希望出来ればヒソカでお願いしたいです。 (2021年9月9日 7時) (
レス) id: 790f68b113 (このIDを非表示/違反報告)
クロ(プロフ) - ヒソカの花嫁さん» ヒソカの花嫁様、コメントありがとうございます！ヒソカ希望いただきましたー！何もなければご希望に答えてヒソカオチか、オチごとに小説を分けるか致しますので、評価ボタンを押して楽しみにお待ちください！← (2019年5月6日 21時) (レス) id: dcc16283b8 (このIDを非表示/違反報告)
ヒソカの花嫁(プロフ) - オチ希望はヒソカでお願いしたいです！ (2019年5月6日 21時) (レス) id: 6af5523d08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クロ | 作成日時：2019年4月8日 3時
