16、彼女は未知数 ページ17
【ヒソカ side】
ソフィアの精孔を開いた瞬間。
ボクは一瞬で吹っ飛ばされ、壁に背を強打した。それほどまでに凄まじく強大で、濃厚なオーラがソフィアから拡散されていたんだ。
押し潰される、と思って咄嗟に練、それから堅。ここまでしても少し軽減できただけで、圧そのものへの抵抗をするだけで精一杯だ。
彼女はといえばオーラを留め纏うのに集中していて、こんな量のオーラが流れ出ているのに苦しそうとかそういうのは全く見えない。ボクでも恐ろしいと思う程、底が全く見えないオーラの総量。
ボクがどれだけ興奮しているか、どれだけ彼女が素晴らしいか、そういった思考が思わず口をついて溢れ出る。
彼女と戦いたい。彼女と共にいたい。この濃密で素晴らしく強大なオーラに触れていたい。
そうして何分経っただろう。三分? 五分?
とにかくボクが拡散し続ける彼女のオーラにずっと堅で対抗しながら興奮してた時間は、突然終わりを迎えた。
「っ、でき、た?」
彼女の体の周囲に留められたオーラは、常人の纏よりも分厚く多く、質も濃い。まるで練をしているといっても過言ではないどころか、生易しいくらいのオーラ量だ。
練とは違ってオーラは落ち着いているのだが、圧倒的な存在感で少々心臓と精神に悪い。興奮的な意味でも◇
堅を解き、彼女を撫でながら興奮を鎮めて、やっと落ち着いた頃。
ソフィアを見下ろせば、撫でられながら目に少しの疲れを宿し、冷や汗の乾きかけた頬もそのままにしている彼女がいる。
あれだけオーラが拡散されて少し疲れただけにしか見えないってのも、驚きだケド……◇
「ごめんごめん◇ 少し物思いに耽っていたよ◆」
「そう? それで、このあとはどうしたらいいの……?」
「そうだねぇ……◇」
纏を見たときにも思ったけど、あまりに濃密かつ量の多いオーラでボクとしては心臓に悪い。寝起きに遭遇したら色々な意味で臨戦体勢になっちゃうかもだ◇
ボクで心臓に悪いのだから、普通の人間が彼女と対峙したら圧倒されてしまうかもしれない。
これは、好ましくない。彼女のオーラは強大が故に魅力的だ。隠さねばならない。
と、すると。
「纏をもっと薄くするようにと、それから……”絶”の習得が先決、かな◇」
「絶?」
「うん、絶◇ でも今日はもうこれで終わり◇ また明日からね◆」
こくりと頷くソフィアをいい子だと撫でて、彼女と過ごすこれからに思いを馳せた。
飛行船は、まだ飛んだばかり。
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澪 - オチ希望出来ればヒソカでお願いしたいです。 (2021年9月9日 7時) (レス) id: 790f68b113 (このIDを非表示/違反報告)
クロ(プロフ) - ヒソカの花嫁さん» ヒソカの花嫁様、コメントありがとうございます!ヒソカ希望いただきましたー!何もなければご希望に答えてヒソカオチか、オチごとに小説を分けるか致しますので、評価ボタンを押して楽しみにお待ちください!← (2019年5月6日 21時) (レス) id: dcc16283b8 (このIDを非表示/違反報告)
ヒソカの花嫁(プロフ) - オチ希望はヒソカでお願いしたいです! (2019年5月6日 21時) (レス) id: 6af5523d08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クロ | 作成日時:2019年4月8日 3時