１３、奇術師の戸惑い ページ14
【ヒソカ side】
ソフィアに必要な物を買いに出掛けたは良いんだけど、すぐにボクは彼女をエスコートすることになった。
周囲にある店は大して値の張るところではない。ないのだけど、ソフィアはどうすればいいかわからないという風に当惑してあちこちに視線を移すばかりで、ちっとも衣服やアクセサリーに興味を示さない。
年頃の女の子ならもっと興味を持つだろうに、と思ったけど、出会いが出会いだけに普通の女性と比べられず、ボクにしては珍しく内心で途方に暮れる。
なら、血濡れになっちゃったけど相当高いだろうあのドレスは誰の見立てかな◆と聞いてみれば「貰い物よ？」と返答される。
……貰い物。なんでも通りすがりの男に折角の美人が台無しだと嘆かれて押し付けられたらしい。
ボクは少しだけ、すこーしだけ、あのドレスが血濡れになったことに感謝した。
だってああなったから、ソフィアをボク好みの服で飾れるんだし……◆
ゾクゾクと這い上がる感覚を振り払うために、慌ててボクは口を開いた。
「……ソフィア、これとかキミに合うんじゃないかな◆」
「ん〜？」
露出は少な目、けれどソフィアが着れば品のある妖艶さが醸し出されるだろうデザインの服を勧めながら、ボクはチラリと彼女の全身を見る。
ボクが選んで買ったふわりとしたワンピースは彼女によく似合っていて、薄紫の髪が日の光を受けて透明感を持った輝きを放つのも相まってとても美しい。
ボクを見失えばきょろきょろと頼りなげに見回す様は、人に慣れない深窓の令嬢のようにも思える。
正直言うとこの状況に興奮しそうだ。見目の儚さ麗しさのせいで庇護欲加虐欲もろもろがそそられる。
早く買い物を終えて、彼女のオーラが溢れる瞬間が見たい。この状況は嬉しいんだけど、生殺しのようでいただけないから。
ソフィアの念習得を手ずから助けるために、わざわざ個室のある飛行船のチケットまで手配した。
高ぶる期待に思わず口の端がつり上がってしまう。彼女という果実が美味しく実ったら。
愛でて、味わって、それから───それから？
「ヒソカ？」
「……いや、なんでもない◆行こうか◇」
ソフィアの命を刈り取るその時を想っても、思ったより高揚感が湧かないことに戸惑う。
けれど、ボクは意図的にそのことから目を逸らして、笑んだ。
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澪 - オチ希望出来ればヒソカでお願いしたいです。 (2021年9月9日 7時) (
レス) id: 790f68b113 (このIDを非表示/違反報告)
クロ(プロフ) - ヒソカの花嫁さん» ヒソカの花嫁様、コメントありがとうございます！ヒソカ希望いただきましたー！何もなければご希望に答えてヒソカオチか、オチごとに小説を分けるか致しますので、評価ボタンを押して楽しみにお待ちください！← (2019年5月6日 21時) (レス) id: dcc16283b8 (このIDを非表示/違反報告)
ヒソカの花嫁(プロフ) - オチ希望はヒソカでお願いしたいです！ (2019年5月6日 21時) (レス) id: 6af5523d08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クロ | 作成日時：2019年4月8日 3時
