24、走れ! ページ25
一次試験は自分にただ着いてくること。そう言った試験官サトツを追うために、自然と早くなった足。もう三時間くらい走っている。
「本当に走るだけでいいのかしら」
「そうみたいだね◇ ん〜、ちょっと退屈かも◆」
「ふうん、本当に走るだけなのね。なら、少し後ろ見てこようかな?」
「カタカタ……随分と余裕だね。もう50kmくらいオレたちと同じペースで走ってる」
返事の代わりに笑みを向けて、徐々にペースを落とす。
いってらっしゃい◇とヒソカが手を振ったのが見えたけど、すぐに人の波に飲まれて見えなくなった。
「どうした嬢ちゃん、脱落か?」「お嬢さんにはキツかったかな」なんて言葉を受け流して、最後尾まで下がる。
ちなみに言ってた人の方が私より汗をかいていた。
「あれ。女の子だ」
「ほんとだ」
「ん?」
少年の声に振り向けば、私と同じくらいの背丈の少年二人と、少し背の高い美形の青年が一人と、とても背の高い疲れきった青年が一人、一緒に走っていた。
「君もハンターになりに来たの?」
「知り合いに着いてきただけよ?」
「知り合い? 誰?」
「ヒソカ」
「「「げっ」」」
三人が一斉に固まった。一番背の高い青年だけ、反応する余裕もないのか顔だけ歪めている。
黒いツンツン髪の男の子が質問したげに口を開いて、少しぱくぱくと動かしたあと、何か思い立ったように表情を明るくさせた。
「おれゴン」
「俺キルア」
「私はクラピカ。こっちの疲れきってるのはレオリオだ」
「ソフィアというの、よろしくね」
「ソフィア! ソフィアはヒソカとどういう関係なの?」
「うーん、どういう関係かしら。友人?」
「わかってねーのかよ」
キルアが頭をカクンと傾ける。続いて、クラピカが私をじいっと見つめた。
「君はどうしてフードを被っているんだ?」
「視線予防……かな?」
「視線?」
「えぇ。ほら」
パサリとフードを落とせば、流れ落ちた薄紫の髪と露になった顔立ちにわぁ……!とゴンが思わず漏らした。他の三人も息を飲む。
「色が珍しいのかわからないけど、しょっちゅう見られるのよ。だから視線予防」
「あ、ああ……理解できた。すまない。だが、珍しいから見てるというわけじゃないと思うぞ……」
「クラピカの言う通りだよ! とっても綺麗だもん!」
綺麗と言われてもいまいちよくわからない。
そう思って首を傾げるのと、背後で物が落ちた音がするのは同時だった。
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澪 - オチ希望出来ればヒソカでお願いしたいです。 (2021年9月9日 7時) (レス) id: 790f68b113 (このIDを非表示/違反報告)
クロ(プロフ) - ヒソカの花嫁さん» ヒソカの花嫁様、コメントありがとうございます!ヒソカ希望いただきましたー!何もなければご希望に答えてヒソカオチか、オチごとに小説を分けるか致しますので、評価ボタンを押して楽しみにお待ちください!← (2019年5月6日 21時) (レス) id: dcc16283b8 (このIDを非表示/違反報告)
ヒソカの花嫁(プロフ) - オチ希望はヒソカでお願いしたいです! (2019年5月6日 21時) (レス) id: 6af5523d08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クロ | 作成日時:2019年4月8日 3時