20、エレベーター内で ページ21
【ソフィア side】
あれから一通りの四大行を教えてもらって、常に極薄の纏か絶の状態でいることを課題として出された。
なんでも、私のオーラは量が膨大すぎるから普通の感覚で纏をしていると面倒な人間に絡まれる可能性が高いらしい。
勿論、そんな面倒くさいのは願い下げなので、ヒソカの纏を参考にして更に薄く纏ができるように頑張った。
その甲斐あって、纏と絶はヒソカの合格を貰った。特に絶はかなり絶賛された。
個人的には、気配を消す要領でやっていただけなのだけど……
「美味しいかい?◇」
「ええ、とても」
個室で出されたステーキ定食を味わう。ヒソカは既に食べ終わっていて、未だ食べている私の顔をじっと楽しげに眺めていた。見ても、あまり楽しくないと思うのだけど。
「そう、よかった◇あとこれ、キミの携帯。試験中離れることもあるかもだから、持っておいてね◆」
「んぐ……ありがとう。いつ買ったの?」
「宿をとった後、キミが入浴している間◇」
ゆったり長風呂をしている間に買ってたらしい。出会ってから何度も思ったけれど、行動が早い。
「ところで、使い方がわからないの。教えてくれる?」
「うん、いいよ◇使えなきゃ話にならないからね◆」
ヒソカのアドレスと番号を教えてもらって、登録したら試しにかけてみる。うん、ばっちり。
「上出来だ◇……っと」
彼の携帯が鳴る。唇の前に指を立てて目を細め、静かにするように合図された。
頷いて了承する。
「もしもし、イルミかい◆うん、もう試験会場に着くところだよ◇」
最後の一口を飲み込んで、ほうとため息をつく。とても美味しかった。
それにしても、イルミ、と言っていたけれど……記憶が正しければ、私と同じくらいに長い髪の男性だったかしら。
無機質で独特の雰囲気をしていた人。あの時は、起きたらもういなかったけれど。
「うん、了解◇そうそう、彼女もいるよ◇連絡先? あ忘れてた◆
今から渡すって、あははごめんよ◇それじゃ、会場でね◇」
通話しながら渡された紙を見ると、会話からしてイルミのものらしき連絡先が書かれている。
登録を終えるのと同時に、エレベーターが鳴って扉が開いた。
「どうぞ。番号札をお取りください。はい、どうぞ」
ヒソカが先に取って、続いて私が受けとる。45、だ。
「必ず、胸につけ、紛失されませぬよう、よろしくお願い致します」
豆のような人の言葉に、プレートを上着につける。
それから、一歩踏み出した。
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澪 - オチ希望出来ればヒソカでお願いしたいです。 (2021年9月9日 7時) (レス) id: 790f68b113 (このIDを非表示/違反報告)
クロ(プロフ) - ヒソカの花嫁さん» ヒソカの花嫁様、コメントありがとうございます!ヒソカ希望いただきましたー!何もなければご希望に答えてヒソカオチか、オチごとに小説を分けるか致しますので、評価ボタンを押して楽しみにお待ちください!← (2019年5月6日 21時) (レス) id: dcc16283b8 (このIDを非表示/違反報告)
ヒソカの花嫁(プロフ) - オチ希望はヒソカでお願いしたいです! (2019年5月6日 21時) (レス) id: 6af5523d08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クロ | 作成日時:2019年4月8日 3時