44話 ページ44
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「それって私、ずるじゃないのかな…」
「A、自分の今の気持ちに従うばかりが正しいわけじゃないぜよ。
先の見えない恋に見切りをつけて、まっさらな恋愛に飛び込むのは逃げとは違う。むしろ前に進むってことじゃ。
中途半端な気持ちで付き合うのは俺に悪いとか、そういう余計な気遣いはいらんからな。
そんなの俺がすぐに忘れさせちゃる。
な、A、時間は有限じゃ。
高校の3年間なんてあっという間に過ぎていく。
止まってる時間なんかないぜよ」
これまでにない仁王君の真剣な眼差しが私の胸を打つ。
透きとおった瞳はドキッとするほどきれいで、真っ直ぐな想いを痛いほど伝えてくる。
ストレートな言葉が私の心を揺らした。
何か答えなきゃ…。
そうは思っても、急過ぎて頭も、心も整理できない。
私は言葉が何も出て来なくて、それでも仁王君の真っ直ぐな想いに応えたくて、ただただ仁王君を見つめた。
そんな私を見て、仁王くんはふっと優しく目を細めてほほえんだ。
「すぐに答えが欲しいってわけじゃない。
ゆっくり考えてくれればいい。
さっきは嘘ついて悪かったな。
じゃ、またな」
仁王君は柔らかい笑顔を浮かべながら、大きな手で私の頭をぽんぽんと叩くと、校舎の方に向かって歩き始めた。
私は夏の強い光が照らす仁王君の大きな背中をしばらく眺めて、まつげをふせた。
風に揺れる木々の葉擦れの音が、頭上でサラサラと聞こえた。
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朔 - 上手い！！上手すぎます！！！どっちも好きすぎるのですが私の答えは決まってしまいました！！！ (2021年6月15日 1時) (
レス) id: 2e63a126ca (このIDを非表示/違反報告)
彩(プロフ) - 亜弥*さん» ありがとうございます！！(*^_^*) (2015年8月23日 21時) (レス) id: 42a026aa1a (このIDを非表示/違反報告)
亜弥* - どっちにしようかまよう! あと、これからも頑張って下さい。読むのが楽しみです (2015年8月23日 1時) (レス) id: de645498d4 (このIDを非表示/違反報告)
彩(プロフ) - 菊姫さん» 菊姫さん、ありがとうございます！泣いてくれたなんて恐縮です>_< 励みになります！ (2015年2月3日 8時) (レス) id: 1b761003cc (このIDを非表示/違反報告)
菊姫 - 前のお話を読んで泣いちゃいました！感動的ですね…これから3人の関係がどうなるのか気になります！ 更新頑張って下さいっっ！！ (2015年1月31日 22時) (レス) id: 22b58266a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彩 | 作成日時：2014年10月20日 20時
