【テニプリ】スライディングドア【幸村精市・仁王雅治】

25話 ページ25

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約束の日が近づいてくる。


ベッドに横になって、さっき届いた幸村君からのメールを何度も眺めてはキュンとなってスマホを抱きしめた。


何着て行こっかな…。髪型はどうしよう…？


できるだけ一番可愛い自分で会いたい。


でも頑張ってるって丸出しなのはなんか恥ずかしいし…。


すっごく楽しみ、でも、変なことしちゃわないか不安…。


ドキドキと不安が頭の中をぐるぐる回る。


私の頭の中はその日のことが全てだった。




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そして特別な日曜日がやってきた。


色々考えたけど、やっぱり自分らしいショーパンと、白のレーストップスに、ウェッジソールのサンダルを合わせた。


髪をゆる巻にして、マスカラとほんのり色づくグロスの軽めのメイクをのせて。


ちょっと頑張りすぎたかな…。


今更少しだけ不安になりながら約束の場所で幸村君の到着を待つ。


なんだか本当にデートみたいだな…♪



ドキドキドキドキ…



あ…。



人混みの中で、幸村君が髪をさらさらとなびかせながら、柔らかい笑顔を浮かべて歩いてくる。


周りがぼんやりとにじんで、幸村くんだけがくっきりと浮かび上がった。



あぁ…。いつも幸村君がいるところだけ、空気がギュッと透きとおって見えるのはどうしてなんだろう。



「やぁ。待ったかい？」


「ううん！今来たとこ！」


本当はワクワクしすぎて30分も前に到着してた。


でも待つのも楽しくて時間があっという間に過ぎたのはホントの話。


「良かった。さぁ、行こうか」


そう言ってふわりとした笑顔を向ける。


ただそれだけでトクンと胸が鳴る。


私の気持ちが変わるだけで、見える世界が、感じるものが、ガラリと変わる。


今日は想い出の日になるなぁ…。


一つ一つをしっかり頭に焼き付けておかなくっちゃ。


幸村君がいるほうの側だけ体がほんのり熱くなるのを感じながら、少し照れながら隣を歩いた。



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