17話 ページ17
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スポーツドリンクとフルーツ、野菜スープを買って幸村君の家に向かった。
ドアの前で少し躊躇する。
…前ならこんなに悩むことなんてなかったのにな…。
…よしっ。
私は心を決めてチャイムを鳴らした。
……
こんなに緊張するもの…?
早く出てー…。
しばらくしてドアが開き、顔を真っ赤にした幸村君がフラフラと現れた。
わー…めちゃくちゃ辛そう…。
「A、どうしたの?」
「カーディガン返そうと思ったのと、高熱出してるって仁王君から聞いて、少し食べ物と飲み物持って来たんだ」
「本当に?わざわざありがとう。すごく助かるよ。『あがって』と言いたいところなんだけど、風邪がうつるといけないから…ごめんね」
「ううん。気にしないで。それより辛いだろうから、早く家に入って!
風邪、早く治るといいね。
あっ、それと、カーディガン、どうもありがとう!あったかかった」
「A、色々ありがとう」
幸村君は優しく微笑んだ。
あ…やっぱり好きだな…。
幸村君の優しい笑顔…。
私は『ううん』とだけ言ってその場を後にした。
交わしたのはほんの短い会話。
なのに、こんなにもドキドキして、幸せな気持ちになるなんて…。
私は自分の鼓動がまだ早くなってるのを感じてた。
恋ってちっちゃな事でも気になって、悩んだり、焦ったり、切なくなったり、忙しいけど、ほんの少しのことで、こんな風に心がぽっとあったかくなるんだな…。
さっき別れたばっかりなのに、もう会いたいと思ってる。
こんな風に想いは募ってくのかな…。
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朔 - 上手い!!上手すぎます!!!どっちも好きすぎるのですが私の答えは決まってしまいました!!! (2021年6月15日 1時) (レス) id: 2e63a126ca (このIDを非表示/違反報告)
彩(プロフ) - 亜弥*さん» ありがとうございます!!(*^_^*) (2015年8月23日 21時) (レス) id: 42a026aa1a (このIDを非表示/違反報告)
亜弥* - どっちにしようかまよう! あと、これからも頑張って下さい。読むのが楽しみです (2015年8月23日 1時) (レス) id: de645498d4 (このIDを非表示/違反報告)
彩(プロフ) - 菊姫さん» 菊姫さん、ありがとうございます!泣いてくれたなんて恐縮です>_< 励みになります! (2015年2月3日 8時) (レス) id: 1b761003cc (このIDを非表示/違反報告)
菊姫 - 前のお話を読んで泣いちゃいました!感動的ですね…これから3人の関係がどうなるのか気になります! 更新頑張って下さいっっ!! (2015年1月31日 22時) (レス) id: 22b58266a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:彩 | 作成日時:2014年10月20日 20時