16話 ページ16
ー 放課後 ー
ドキドキドキドキ…
幸村君の教室に近づくほどにドキドキが増してくる。
ドアから覗いて見たけど、そこに幸村君の姿は見当たらなかった。
もう部活行ったのかな…。
仕方ない…。まだ部活始まってないかもしれないし…。行ってみるか。
私はテニスコートに向かった。
ボールの音が聞こえてくる。
これはもう始まっちゃってるなー。
どうしよ…。
「よぉ。こんなとこで何しとる？」
「わぁっ！！」
私はあまりにびっくりして、振り向きざまに転んだ。
イテテテ…。
A「なんだ、仁王君か」
私は起き上がってスカートに着いた砂をパンパンっと払った。
「なんだとはなんじゃ。ひどいのぅ」
「幸村君に借りたカーディガンを返しに来たんだけど、もう部活始まっちゃってるからいいや。明日にする」
「幸村なら休みじゃよ。高熱とか言っとったな」
えぇーーっ…！
それって…私にカーデ貸してくれたせいで風邪引いちゃったんじゃ…。
私のせいじゃん…。
どうしよ…。
(なんじゃ、この焦りようは。
……あー…なるほどな。こいつの好きな奴って幸村か。まったくわかりやすいのう。)
「届けに行って、ついでに看病でもしてやったらどうじゃ？ 弱ってる時の優しさは効くぞ」
仁王君は面白いオモチャを見つけたみたいにニヤニヤして言った。
「なっ…何言ってんのっ…。そ…そんなつもりないんだからっ。私、帰るねっ」
「まぁそう照れなさんなって。頑張れよー！」
仁王君の声を背中に聞きながら、私は校門の方に向かって走った。
わー…。私の好きな人もうばれちゃったの…？
よりによって仁王君に…。
ショック…。
あの人、からかいそうだし…。
なんか面倒なことになっちゃったなぁ…。
っていうかそれより！！
どうしよう…カーディガン…。
幸村君一人暮らしだし…高熱って外に出れないよね…。
食べ物とか困るよね…。
でも…弱ってる時につけ込むとかそういうのやだしな…。
でもきっと私のせいだし…。
あーっ！もうっ。仁王君があんなこと言うから迷うじゃないかーっ。
うーん…
うーん…
やっぱ…届けに行こう…。
食べ物届けるくらいなら…いいよね…。
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朔 - 上手い！！上手すぎます！！！どっちも好きすぎるのですが私の答えは決まってしまいました！！！ (2021年6月15日 1時) (
レス) id: 2e63a126ca (このIDを非表示/違反報告)
彩(プロフ) - 亜弥*さん» ありがとうございます！！(*^_^*) (2015年8月23日 21時) (レス) id: 42a026aa1a (このIDを非表示/違反報告)
亜弥* - どっちにしようかまよう! あと、これからも頑張って下さい。読むのが楽しみです (2015年8月23日 1時) (レス) id: de645498d4 (このIDを非表示/違反報告)
彩(プロフ) - 菊姫さん» 菊姫さん、ありがとうございます！泣いてくれたなんて恐縮です>_< 励みになります！ (2015年2月3日 8時) (レス) id: 1b761003cc (このIDを非表示/違反報告)
菊姫 - 前のお話を読んで泣いちゃいました！感動的ですね…これから3人の関係がどうなるのか気になります！ 更新頑張って下さいっっ！！ (2015年1月31日 22時) (レス) id: 22b58266a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彩 | 作成日時：2014年10月20日 20時
