15話 ページ15
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今日の男子の体育の授業はバスケだった。
体育館に黄色い声援が飛び交う。
「仁王くーん!がんばってー!」
ほぅ。人気だねー。
「仁王君ってこんなに人気あるんだ…」
「A、何言ってんの!そりゃそーだよ! 女子の応援にニコリともしないっ。ほんと、クールでかっこいいー!」
その長身で軽々とダンクを決める仁王君。
再び悲鳴にも似た歓声が沸き起こる。
あれ?ホントだ。仁王君、女子の声援には見向きもしない。
ちょっと意外。
うーん…。
さっき話した時と、あまりにもギャップがあり過ぎて、どっちが本当の仁王君なのかわからなくなってくる。
「ねー、ヒナ。仁王君って全然クールじゃないよ? 怖くもないし」
「え??」
「優しい目で笑うし、聞き上手って感じだし」
ヒナ「A、いつの間にそんなに仲良くなったの!」
「いや、そんなに仲良いわけじゃないけど…。さっき屋上で少し話した。きっかけと言えばこの前のアイスティーくらい?
ねー、ヒナ、私のことばっかり応援してないで、仁王君のこと好きなら話しかけなよー。
ほんと、話しやすいよ?」
ヒナはちょっと照れ臭そうに頭を傾げた。
「あー…。実はこの前友達の紹介で会った人とちょっといい感じなんだ。
A、ごめんっ。ちゃんと話してなくって。
仁王君に本気なわけじゃないよ」
「なんだー。ってか、『いつの間に』はこっちのセリフ!!で、どんな人なのー??」
ヒナは照れ臭そうに笑いながら、最近いい感じのその人の話を始めた。
あー。恋をすると可愛くなるってホントだ。
頬を少し赤らめて、照れ臭そうに、幸せそうに、瞳をほんのり潤ませて、好きな人の話をするヒナ。
私もヒナみたいに笑えてるかな?
ヒナみたいに順風満帆とまではいかなくても、友達として側にいたいと思うことくらい、いいよね?
放課後、借りてたカーディガンを返しに行こう。
好きだって認めてから、初めて顔を合わせる。
…な…なんかドキドキするな…。
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朔 - 上手い!!上手すぎます!!!どっちも好きすぎるのですが私の答えは決まってしまいました!!! (2021年6月15日 1時) (レス) id: 2e63a126ca (このIDを非表示/違反報告)
彩(プロフ) - 亜弥*さん» ありがとうございます!!(*^_^*) (2015年8月23日 21時) (レス) id: 42a026aa1a (このIDを非表示/違反報告)
亜弥* - どっちにしようかまよう! あと、これからも頑張って下さい。読むのが楽しみです (2015年8月23日 1時) (レス) id: de645498d4 (このIDを非表示/違反報告)
彩(プロフ) - 菊姫さん» 菊姫さん、ありがとうございます!泣いてくれたなんて恐縮です>_< 励みになります! (2015年2月3日 8時) (レス) id: 1b761003cc (このIDを非表示/違反報告)
菊姫 - 前のお話を読んで泣いちゃいました!感動的ですね…これから3人の関係がどうなるのか気になります! 更新頑張って下さいっっ!! (2015年1月31日 22時) (レス) id: 22b58266a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:彩 | 作成日時:2014年10月20日 20時