2話 ページ2
ー昼休みー
クラスで一番仲良いヒナが、お弁当からウィンナーをつまんで口に頬張りながら頭を傾ける。
「しっかし不思議だよねー。A、あんなに幸村君と仲良いのに、付き合ってないんだもんねー。昨日も一緒に帰ってたでしょ?」
私はヒナの突然の突っ込みに吹き出しそうになった。
「ゲホゲホ… えっ…? いや、だからそんなんじゃないんだって。
私たちは同じ痛みがあるから仲良いだけだよ。戦友だから。
それにさ、親友の恋人だよ? 好きになんかなれないって」
「え?なんで??今付き合ってるわけじゃないんだからイイじゃん」
「なんか…ダメ…だと思う。なんかさ。それに幸村君はまだ恋愛する気になんてなれてないよ」
「ふーん…。幸村君、唯一Aには心許してるのにねー…。幸村君もいつまで香月のこと引きずるのかねー」
「仕方ないと思う…。1年なんて短いもん。まだ傷を癒すには短すぎるよ…。
私も香月を思い出して、時々眠れなくなる。
香月の思い出がわーって頭に浮かんで、喉がぎゅっと苦しくなって。そしたらもう止まらないんだよね…」
まずい…目頭が熱くなってきた…。
「あっ…ごめん…A…。ちょっと無神経だったよね…」
「あ、はは。ごめんごめん。大丈夫」
私はグイッと涙を拭いて二カッと笑った。
そしてふぅっとため息を吐いた。
私の中の香月も、幸村君の中の香月も、まだ全然きちんと思い出になってないね…。
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朔 - 上手い!!上手すぎます!!!どっちも好きすぎるのですが私の答えは決まってしまいました!!! (2021年6月15日 1時) (レス) id: 2e63a126ca (このIDを非表示/違反報告)
彩(プロフ) - 亜弥*さん» ありがとうございます!!(*^_^*) (2015年8月23日 21時) (レス) id: 42a026aa1a (このIDを非表示/違反報告)
亜弥* - どっちにしようかまよう! あと、これからも頑張って下さい。読むのが楽しみです (2015年8月23日 1時) (レス) id: de645498d4 (このIDを非表示/違反報告)
彩(プロフ) - 菊姫さん» 菊姫さん、ありがとうございます!泣いてくれたなんて恐縮です>_< 励みになります! (2015年2月3日 8時) (レス) id: 1b761003cc (このIDを非表示/違反報告)
菊姫 - 前のお話を読んで泣いちゃいました!感動的ですね…これから3人の関係がどうなるのか気になります! 更新頑張って下さいっっ!! (2015年1月31日 22時) (レス) id: 22b58266a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:彩 | 作成日時:2014年10月20日 20時