【MSSP】私と貴方を繋ぐもの【あろまほっと】 (ページ7)

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あれからすぐに二週間が過ぎた。
個展を開く日が来たのだ。
もう開催時間の真っ最中で、さっきからお客さんがやってくる。

お客さんの反応も少し見たいから、人混みにまぎれる。
周りからは、色々な声があがる。
凄いとか、こっちの方が好き、とか。
もっと意見を聞こうと、周りをうろつく。

？「うおっ」
『ひゃっ…』

足元を見て歩いていたせいか、眼鏡をかけた男性とぶつかる。
男性としては小柄だが、私より背が高い。

？「ごめん、大丈夫か？！」
『えっ、あっ…。大丈夫、です…』

どこかで聞いたことのある、少し高めの声。
気のせいなんだろうけど、何か心に覚えてる。
誰だっけ…。

？「ならよかった。本当ごめんな、それじゃ。」

男性はクルリと後ろを向く。
すると、リュックサックにお面がかかっているのに気づいた。

《般若の面》

『…え、そんなわけ…』

少し高めの声、見た目が小柄で細い、般若の面をしていて、眼鏡をかけている人。
その人物に心当たりがある。

あろまさん

本人であることを期待しながら、男性、あろまさん(仮)を小走り気味に追いかける。
歩くごとにゆれるお面が、さらに期待を高める。

『っあ、の……！』
？「！…あーさっきの…どうしました？どこか怪我して…」
『あろまほっとさんですk』

言葉を言い終える前に、口をふさがれる。
指一本一本が細くて白い。

？「…あの、ちょっといい？」
『ふぁい…』

手を口から離すと、私の手をひっぱって外へと出た。

『やっぱり、あろまさんですか…？』
？「…あ゛ーーっ。うん。まさか俺のこと知ってる人いたとはー…ww」

ニヤッと笑うと、あろまさんは軽く頭をかいた。

『私、黒都です。今日はどうして…』
あ「えっ黒都？！嘘wwww」

笑いながら耳を少し赤くしたあろまさん。
照れてるのか、熱があるのか。

あ「どうして来たって聞かれたら、まぁ好きだからだべや。」
『え…あ、りがとうございます』

私の顔も、だんだん赤くなってきているのがわかる。
恥ずかしい。こんな、憧れてた人に褒められるなんて、思ってもみなかった。

『私も、あろまさんの写真、大好きなんです』

精一杯の笑顔であろまさんに言う。
すると、あろまさんはありえない言葉を私に言った。

あ「…あのさ、よかったら連絡先、教えてくれない…？」
『…へ？』

わかった、これは夢なんだ。
でも、
これが夢なら覚めないで。