【MSSP】私と貴方を繋ぐもの【あろまほっと】 (ページ11)

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10枚目ページ11

「あの、金澤さん？」
『っあ、はい。どうしましたか？』

次の休養日を確かめながら、本田さんに返事をする。
新しい作業かな、なんだろう。
正直に言うならば、早く帰りたい。

「その、最近何かあったの？」
『えっ』

予想外の発言に、目が点になる。
特に、おもいあたるのは……ないことにしておこう。

『私は特に思い当たるのは…ないです』
「そう？んー…だってねえ…」
『だって？』

んー、と、声をもらす本田さん。

「さっきも見てたけど、予定表見ながらニヤニヤしてたから、彼氏とでも出かけるのかなぁ…って」
『か、かれっ、彼氏…？！』

鋭い。鋭すぎる。
でも、彼氏なんかじゃない、デートなんかじゃないんだ…。
それでも、耳が赤くなるのがわかる。

「あれ…あたっちゃったかしら」
『か、彼氏じゃないです…』

にんまりと、「秘密を知っちゃいましたよ」という笑みを浮かべる本田さん。

「かっこいいの？かっこいいの？」
『そ、そういうのじゃないですって！』

普段優しい本田さんも、恋愛には敏感になのか。それとも、ただ私の秘密を知りたいだけか。
というか、かってに彼氏ときめられている。
あのあろまさんと恋人？ありえなすぎる。
ネット上、空想では色々書かれている。
でもこれは現実。空想とか、夢なんかじゃない。
絶対ありえないんだ。
そう心に言い聞かせると、頭の中が少しこんがらがる。

「…最近疲れてるみたいだし、何かあったら言ってね？」
『…はい。わかりました。』

そう口では言うけれど、行動に移す気はない。
別に、他の人に迷惑をかけるほど馬鹿じゃないし。

『…ここだ。』
休養日に、赤で丸をつけた。