【刀剣乱舞】審神者が真名を明かすまで弐 (ページ10)

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第57話　買い出しページ10

　長谷部と長義は机の上に拡げられた地図を眺めていた

「全部で５ヶ所か……」
「なぜ主はここはダメだと言ったんだ……？」
「わからないが、主がダメと言うのなら再考せねばならん。一期一振は……」

　顔を上げるが、彼は買い出しメンバーの１人であり、粟田口派の引率であった
　他に得意だと思われるメンバーのうち、松井は遠征中で日光は畑番をしている
　本日の事務作業はこの２人だけなのだ
　頭を抱えながら、長義は出発前の審神者の言葉を思い出す

『別にそのままでもある程度大丈夫だけど、石切丸や数珠さん、他神社関連の刀か……最悪私が何とかしないと(・・・・・・・)後々面倒になる』

　普段ふざけているが、真剣な声で言っていたのだ
　これは無視できない、と２人は考えている
　かといってこれはもはや始めから考え直した方がいいレベルで重要な箇所となっていた

「……主が帰ってきたら話を聞きながら図面を引き直した方が早そうだな」
「……同意だ」

　土地に関しては何も聞いていなかったが、まあそれはそれ
　主の勘を信じて帰りを待つ間に、彼らは書類作業に戻ることにした

＊＊＊

「久々の平成だー！！」

　我先に、と審神者が飛び出していく
　それに続いてタイムセールのチラシを持った短刀たちがスーパーに散会していく
　少し遅れて一期一振、燭台切光忠が店の中に入る

「卵は１人１パックだから頼んだよ！！」
「わかっとるばい！」
「任せといて！」

　カートを全力で押しながら、燭台切は青果コーナーへと向かう

「間に合った……！」

　今年は冷夏
　だがそれは2200年代の話である

「今年は！野菜が！安いよね！！」

　野菜が安いとされた平成のある年に来ていた
　それはもう安かった
　野菜農家から直接買った方がいいかもしれない、と燭台切は考えたが、それはそれ
　本日の夕飯に使う予定の大根を次々に入れ、明日以降の食材としてカートに次々と入れていく
　だが、と手が止まる

(ここで買いすぎると冷蔵庫に入りきらなくなるかな……。それに、僕だけでなく今日は主くんたちも食品を買いに来てる)

　少し考えた後、燭台切は野菜を取る手をカートに戻した

「みっちゃん！」

　棚の向こう側から太鼓鐘が嬉しそうな顔をして駆け寄ってきた

「ん？あれ、貞ちゃんどうしたの？」
「食玩買っていいかな！」
「ダメだよ！？」

　ちぇーと口を尖らせる太鼓鐘
　その後すぐに

「主たち食玩コーナーから動かないんだ」

　と言った