【刀剣乱舞】審神者が真名を明かすまで弐 (ページ9)

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第56話　本丸の危機ページ9

「我らの本丸は現在、危機的状況にある」

　歌仙、燭台切、長谷部、長義が大広間のステージに並んで深刻そうな顔をしている

「経済的なものは……いや！これはまだ大丈夫だ」
「大阪城を延々と掘っていたし、遠征も滞りなくやっているからね」

　小判はあるのだ

「だがこの本丸も徐々に刀たちが増えてきていてね、どうにも人口密度が局地的に高くなっているんだ」
「特に粟田口！粟田口の部屋マジで狭い！」

　鯰尾を始め、粟田口が「そうだそうだ！」と手を上げる

「堀川派の部屋は逆に広いからね～」
「兄弟は山へ修行をし、兄弟はカネサンの所で寝ているからな……」
「ごめんね、兄弟。兼さんは僕がお世話しないとだから！」
「国広ォ！！」
「カッカッカッ！」

　堀川派と和泉守が騒ぎ出すのを諌めて、長谷部と長義は松井から大きな紙を受け取る

「そしてこれは！！」
「本丸・改築版の図面だ！！」

　バッと拡げられた本丸の図面
　広間中から感嘆の声が上がる

「すごい……！」
「ちなみにこれから主に交渉しに行くから、何かあれば長谷部に言うように」
「おい待て長義。言っておけと言ったよな俺は！？」

　無視して図面のコピーを丸める長義
　次に歌仙と燭台切がマイクを受け取り、話し始める

「今年はね……野菜が全然採れないんだ……」
「冷夏だからね……仕方ないね……」

　本丸の厨房担当である、彼ら
　なんとか採れた野菜と買ってきたたんぱく質で回していたのだが、もう限界であった

「というわけで足りない分を万屋へ買いに行くんだけど！！」
「行きたい刀は僕に申請してね！！」
「ぬしさまには伝わっているのでしょうか？」

　小狐丸がふとした疑問をぶつける
　歌仙と燭台切はにっこりと親指を立てるだけであった

「お前たちもか！！主に伝えてから発言しろとあれほ──」
「話は聞かせてもらったぜ」

　壁に寄りかかり、腕を組み、どことなくカッコいいようなポーズで主である審神者がそこにいた
　しかも地味にいい声であった

「えっ……あっ……主……？どこから聞いて……？」

　長谷部が狼狽えながら、聞く

「『我らの本丸は』辺りからかなー！」
「一番！！最初！！」

　わはは！といつもの調子で大広間へと入ってくる
　張り出された図面を見て、いくつか丸をつけると、歌仙たちの方へ行く

「今丸したとこね、やめた方がいいと思うから再考よろしく！」
「は！？」
「あと私も万屋行くよー！」

　この後万屋メンバーが増えたのは言うまでもない