#９５「嘘だろ」 ページ45
どれだけの間、私は寝ていたのだろう。
軽く肩を揺すられる感覚に目を開ければ目の前には可愛らしい女の子が居て、じっとこちらを見詰めている。ハイスツールに座ってカウンターに上体を預けて寝ていたらしく、体を起こして重たい瞼を擦ろうと手を動かそうとするも、背後でガチャっと嫌な金属音がしただけでそれは叶わなかった。
……ああ、拘束されてる。どうも寝起きは把握するのが遅いな。
「お前さぁ、寝過ぎだろ」
「合宿で疲れてるんだよ察しろ」
隣のハイスツールに腰掛けている死柄木に思った通りの言葉を返すが、私の背中に突き刺さる警戒心満々の敵連合の彼等の視線がギッと強くなったので口を慎もうと思う。手遅れ？いいやまだ間に合う筈さ！
欠伸を噛み殺しながら椅子を回転させて振り向く。……いや、待て。
「なんで爆豪くんがいるの、てか爆豪くんの拘束、ふはっ、厳重過ぎでしょ」
「気付くの遅ぇ！それに笑ってんじゃねぇ！」
個性対策か、手は特に厳重にされていていつか見たドラマの主人公を思い出した。確かドラマの主人公も手をメインに戦っていて、不意を突かれて悪役に捕まったんだっけ。どんな終わり方だったのか思い出せない。もやもやするけど然程重要でもないのでこの事は置いておこう。
手を拘束されていなければ今にでも爆発しながら飛び掛かってきそうな爆豪くんに背を向け、カウンターを挟んで私をずっと見つめている女の子に向き合った。
「君も敵？」
「トガです！Aちゃんは血が出てた方がカァイイよ！」
「そっか、
死柄木にどうして私まで攫ったのかを問おうと口を開いたところで、私よりも先に黒い霧の人が動いた。
「死柄木弔、時間です。彼女を送ります」
「……あぁ。また後でな、A」
「どこに送る気なのせめて拘束解いてください」
「あー、聞こえね」
「嘘だろおい死柄木」
死柄木に、お前ならそんなものいつでも解けただろ、と言いたげな視線を向けられたのを最後に私はあのバーから消えた。
暗闇に包まれてからドサッと尻から地面に着地する。どうやら廃工場らしい。
「初めまして、哀れな少女」
ぐるりと周囲を見渡したところで、声が聞こえた。その声で、実力の差が分かってしまい、息を呑んだ。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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柚子(プロフ) - いやあの……ほんと……ルビの振り方天才すぎます。今まで読んできた小説の中で1番迫真な（？？）続編のお知らせで正直めちゃくちゃ笑いました。最高です。応援してます！！ 初コメ失礼しました*ˊᵕˋ* (2021年9月20日 0時) (
レス) id: 15ce971549 (このIDを非表示/違反報告)
美咲(プロフ) - 最後めっちゃじわじわきてコメント欄みたらもう声出して笑った笑笑笑笑 作者様好き (2021年8月25日 20時) (レス) id: f6fdf86c66 (このIDを非表示/違反報告)
ニア(プロフ) - めっちゃシリアスで柊ちゃんは、世界はどうなるの!?……と思ってたらまさかの 続 編 あ り ま す で吹き出しましたwww (2020年4月28日 15時) (レス) id: 95c832e6cf (このIDを非表示/違反報告)
岡本さんのキャラだったらなんでも好きな人(プロフ) - めっちゃシリアス！？って思ったら続編！！頑張ってください！ (2018年3月9日 0時) (レス) id: a65a5fd2aa (このIDを非表示/違反報告)
にゃーのまる(プロフ) - マジか！？ってなりました。かなり呆気ない打ち切り漫画の様な終わり方だったので続編があって嬉しいです（*'‐'*)♪ (2018年3月7日 22時) (レス) id: 4d95e3749f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：遊歩
| 作成日時：2016年12月3日 18時
