第14話 ページ14
教室に入り、座席につくと
クラスメイトに取り囲まれる宗介。
「山崎。
九条さんに手を出したとは本当か」
「手なんか出してねぇよ」
「嘘をつくな！
上半身裸になって九条さんを
ベッドに押し倒したことは知ってるぞ！！」
「しかも九条さんの部屋でだ！！
俺らの九条さんに許されない行為だぞ！！」
(どう話が盛られたらそうなるんだ...)
宗介は溜息をつき、
そんなことはしてないと口にする。
それでも信じないクラスメイトの肩を叩く凛。
「お前ら。宗介は昨日の夜ちゃんと自室にいたぞ。
俺が証人だ」
「松岡！！それは本当か！！」
「おう。根も葉もねぇ噂なんか信じてないで
課題ちゃんとやったのか？」
「え？課題なんてあったか？」
男子生徒の言葉に
その隣の男はおいおいと呆れながら口を開く。
「お前...数学の課題あったぞ。
しかもかなりの量」
「嘘だろ！！山崎！！お前の見せてくれ！！」
「自分でやれ」
「くっそー！！数学今日何限目だ！！」
「一限目」
「HRの時にもやれば間に合うな！！
俺ならできる！！！！やってやらぁ！！」
嵐のごとく過ぎ去るクラスメイトに
宗介は盛大にため息をついた。
「朝から人気だな宗介。お疲れ」
「てか、水泳部の寮の掃除担当の事を
なんでクラスの連中が知ってるんだよ」
「だから言ったろ？(人1)、人気あるって。
俺が知ってるだけでも
結構な数の生徒が告白してたぞ」
「マジか。」
「ちなみに、
鮫柄学園のセラピーチップマンク
って呼ばれてる」
「癒しのシマリスって...」
栗色の髪だし、ピッタリだろ？と笑う凛。
カツをほお張るあの顔を思い出して
ああ。と宗介は頷いた。
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(そろそろか...)
携帯の画面を見ると程よい時間だった。
宗介が二段ベッドから降りると
凛はベッドの上で上半身だけ起こす。
「宗介？風呂には少し早いぞ」
「いや。飲み物買おうと思ってな」
「風呂上がりでよくねえか？」
「今飲みたい気分なんだよ。
風呂は先に行っていてくれ。
用具も持っていくから
部屋の鍵は閉めても構わねえ」
「...分かった。体冷やすなよ。
大事な時期なんだから
体壊したら元も子もねぇぞ」
「...ああ...分かってる」
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作者名：学 | 作成日時：2018年9月4日 22時
