検索窓
今日:4 hit、昨日:5 hit、合計:74,599 hit

第2話 ページ2

「宗介!

これから校内案内してやるよ」



終了のチャイムと同時に

数年ぶりに再開した友人、松岡凛が

声をかけてきた。

少し長めの赤髪を揺らしながらニヤッと笑うと

特徴的な歯並びが口からその姿を覗かせる。

声をかけられた宗介は

黒い短髪をガシガシと掻くと立ち上がる。



「んじゃ頼む」


「って言っても宗介、

教えても迷子になるもんな」


「うるせぇ」



わざとらしく言う凛に向かって

パンチを繰り出すと

分かってましたと言わんばかりに

余裕な笑みを浮かべて、凛はそれを受け止めた。


_____ _ _____ _ _____ _ _____ _ _____ _ _____



「んで、さっきの道がここに繋がってるから。

それでこの道をまっすぐ進めばプールに行ける。

そこはまた明日教えるな」


「あー...」


「...宗介。お前ぜってえ分かってねぇだろ」


「ここの学校広すぎんだよ」



宗介はその広い校内を見渡し、ため息をつく。

全寮制で男子校の鮫柄学園は

施設が充実もしているため建物も多い、

転校してきたばかりな人なら迷いやすいだろう。

元々方向音痴な宗介にとっては

鮫柄学園は迷宮に等しかった。



「ま、何かあれば凛について行くさ。

頼りにしてる」


「お前なあ...あ、最後に寮な。

部活ごとに大体かたまって、

二人一部屋になってる。こっちだ」



凛が歩き出すと

宗介は大人しくその後について行った。



_____ _ _____ _ _____ _ _____ _ _____ _ _____



「ここが俺たちの寮だ。

個室の掃除は個人でやるのが原則、

長期休暇の前に大掃除があるが日頃は...お!

ちょうど良かった。(人1)!」



凛の目線の先に脚立に立ちながら

窓拭きをする人の背中が見える。

その人物は振り返ると作業をする手を止め、

脚立から降りる。

凛はその人物の元へ行くと宗介に紹介する。



「宗介。

この人が日頃の水泳部の寮を

掃除してくれてる人だ」



清潔そうな白に統一された服を着たその人は

その体つきから女性であることがわかる。

マスクと白い帽子をかぶっているため

はっきりと顔はわからない。

背が低いその女は見上げるように

宗介見ると笑っているのか目を細めて挨拶する。



「えっと、こんにちは。

初めましてですよね。

この寮の清掃担当の九条 (人1)です。

...ってあれ?」

第3話→←第1話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (49 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
108人がお気に入り
設定タグ:Free! , 山崎宗介 ,
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2018年9月4日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。