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___side
Aちゃんの様子がおかしい。
自分でも珍しく引いた風邪の日は、色んな式場の下見や比較として話を聞きに行く予定だった日
俺が風邪引いたこともあって行ったのはAちゃん1人だった。
帰って来たAちゃんは何処か不安そうな笑顔なのに苦しそうな顔で助けを求めたい、そんな想いが伝わる様な気がした。
だから気になって少し時間を置いたからリビングに居るAちゃんの元に向かったらしゃがみこんで「手放したくない」そう言っていた
その日何があったのか聞こうとしたけどただ謝るばっかりで段々それもなくなって最終的にAちゃんはやる事が多い事に驚いて少し不安になっただけ、と言っていた。
でも俺はそれであそこまで追い詰めるなんて思えない。
『龍くんどうかした?ニコ』
龍「うん?ごめんごめん今日のスケジュール思い出してた。どうしたの?笑」
『あ、そうそう今日のお弁当初めて作った物入ってるからもし良ければ感想欲しいなぁと思って。』
龍「そうなの!?え、なになに!」
『内緒〜開けてからのお楽しみです!笑
天さんと楽さんと姉鷺さんの分もちゃんと渡してね?』
龍「もちろん。笑」
いつも通り……だけどやっぱりいつもと違う
笑顔はいつも通り、雰囲気も。
でもAちゃんももし芸能界にいれば絶対人気になれるくらい自然に演技すると思うからやっぱり少し違う。
特にAちゃんの変わったポイントで言えば毎日朝何があっても欠かさずしていたチョコレートのテンパリングを全くしなくなった事。
『あ、龍くん食べ終わったら今日コインランドリーにお布団出しに行こうと思うんだけど布団袋に入れるの手伝って欲しいんだけどいい?』
龍「いいよ〜
今日は昼からだから朝ゆっくり出来るね。」
『でも夜中まで忙しいのは変わりないでしょ。
疲れだって残ってない?やっぱり1人で』
龍「疲れてないよ!
Aちゃんが居てくれるだけで全然吹き飛ぶんだから」
『ふふ。龍くんそればっかり(笑)』
それとケーキを全く作らなくなった事。
ここが1番変わった。
今までなら毎日何かしら作ってたのに今は全く何も作ってない。
まるでストーカーから逃げて来てた時と同じ封印するみたいに。
何事も無いように話してるけどやっぱり今までのルーティンの様にしてた事が無くなったら何かあったのはすぐに分かる。
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作者名:reina | 作成日時:2020年11月12日 2時