苦手同士の恋愛事情…4 (ページ37)

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キッチンから追い出す様に寝室に龍之介を送るとお水をコップに入れて持って行く

『龍くん入るね？
お水持ってきたよ。直ぐにお粥も作って持ってくるから。』

龍「待って。」

『っ、なに？ﾆｺ』

龍「Aちゃん隠し事はしないで。
……何があったの？Aちゃん教えて？」

腕を引かれすっぽり収まった身体に驚いて暫く反応が出来なかったがようやく状況が理解でき冷静さを取り戻すと離れる為に身体を動かす

『りゅ、龍くん』

龍「言って。何があったの。
帰って来てから様子がおかしいよ？
Aちゃんは無理して笑おうとしたらいつも苦しそうな顔してるんだよ。抱え込まないで、ね？」

大丈夫、今Aちゃんの隣に居るのは俺だ。

そう声を掛けられると優しい温かい手がポンポンと頭を撫でる

『っ、ごめんなさい。』

龍「え？」

『苦手なのに嘘ついて。
ごめんなさい。私、幸せになっちゃ駄目なのに。ごめんなさい、ごめんなさいｯ…』

龍「……。何かあったの？」

横に頭を振る姿にそれは嘘だと龍之介は分かりながらも謝り続けるAをただ優しく抱き締める

龍「大丈夫、大丈夫だよ。
Aちゃんは幸せになっていいんだよ。
俺と一緒に幸せになるんだよ。家族になったからこれから先ずっと一緒にいられるんだよ。ﾆｺ」

『っ、だめ。』

龍「え？」

『幸せになれない、生きてちゃ』

龍「A！ｯｹﾎ、けほけほっ!」

『っ、だ、大丈夫！？』

龍「大丈夫むせちゃっただけだよ。ﾆｺ
A何があったのか言いたくないのは分かった。でもね、Aはもう沢山苦労したよね。

辛いこと1人で抱えきれないほど沢山背負って来たんだから今度は幸せにならなきゃダメなの。

誰がなんて言っても一緒に幸せになるって決めただろう？
周りの言葉に、傷付けられる言葉に耳を傾けないで。
大丈夫、守るよ。何があってもAちゃんとの幸せもAちゃんの笑顔も全部。」

両手で頬を優しく抑えると真っ直ぐ視線が合う

龍「好きだよ。大好き。Aの事愛してる。この言葉だけは絶対に覚えてて。
幾らでも言うよ、Aちゃんの心が迷わない様に。

好き。大好き。愛してる。」

何度も真剣に好き、大好き、愛してる。を繰り返し真っ直ぐに言われ段々モヤモヤして不安でいっぱいになっていた心が少し軽くなっていく

『っ…』