桜庭涼太の恋人は…3

番外編 ページ31

始「……この人数でですか？」


「あぁ、全公演この人数でだ。」


何その鬼そうなスケジュール……


『そんな事言われても…。
社長、私達Venusは既に2月から7月までVenus perfect Liveと銘打ってアリーナツアーをしてます。その中でツキプロ全体の為のライブ練習まで流石に…』


「おや、Aは出来ないと言うのかい？ﾆｺ」


『出来ないとは言っていません。
既にFinalという位置付けでライブをしているのにそこにツキプロ全体でやるのはどうかと反論しているだけです。


それにこれだけのアイドル…が出るとしてチケットの倍率はどうなるんですか？
まずどういう風にライブをするのかコンセプトを知りたいです。』


「ん〜相変らずハキハキものを言うね。
チケットは各ファンクラブ毎一定枚数分で配られる。
今回のVenusのライブチケットは既に完売済み、これで当たらなかったファンも当たる確率がある。

それに橘知春を始めとする元reginaメンバーはそこでのパフォーマンスが出来るどうだい？
今A、君に有益な事しか言っていないよ。ﾆｺ」


『ｯ……わ、たしは…』


早く辞めて欲しい
自己中
一花が辞めたのもAが関係あるんじゃない？
Aのせいで解散した
いじめばっかりするクズの癖に
死んでくれればいいのに。



SNSや事務所に届いた手紙の内容が頭をよぎる


亜紀「Aしっかりして。」

『ｯ…れ、reginaはこのライブ限りの復活ですか？』


「あぁ、それ以降はVenus、Lupinus、橘知春は個々の活動にシフトする」



『……ごめんなさい、私の出演は…考えさせて下さい。』


「それはどういう事だい？」


『Venusは私が居なくても歌唱については既に安定してきています。Lupinusについても同様です。

reginaに関しては元は9人居たグループです。そこから5人は既に抜けています。


知春先輩に夜空先輩、亜紀先輩のパフォーマンス面での劣りはしないと思います。



でも私の声はそこまで出せないです。』
出すのが怖い。１回解散させたのは私だ。
皆がいいと言ったとしても私から終止符を打つ提案をしてそれを実行した…。
なのに…都合よくもう1回やりたいなんて虫が良すぎる。


亜紀「私はやりたい。」
夜空「私も4人でもいい。Aもここ2年でダンスも倍以上に伸びたし。」
知春「こう言ってるけど私達のセンターはやらない気？」

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