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『晴齋、準備してた物ちゃんとある？』
晴齋「準備って言うほどの物でもねーだろ。」
『スマホと充電器にペットボトルなんだから準備でしょ？笑まぁOKかな。さて、行きますか』
裏口から家を出てそのまま山に入る道に行く
晴齋「さっきまで後ろ向きな事言ってたとは思えないほど前向きだな。」
『こういう時こそポジティブにいくしかないじゃん？笑』
晴齋「まぁな。」
ようやく日が照り始めた森林の道を歩いていく
『この辺りだよね？』
晴齋「のはずだが…」
『全く何も感じない。妖怪の気配もない。』
晴齋「そうだな。」
ｶｻｯｶｻｶｻ
『っ？！』
妖怪の気配！さっきまで感じなかったのに…。
晴齋「………」
「こ、こんにちはｺﾝ」
【喋ってる……】
【喋ってるな。】
思わず目を合わせて心の中で会話してしまう
『……えっと…こんにちは？』
「っ！あなたは私が見えるの？」
晴齋「聞こえてますし見えてますよ。」
『ふふ、初めまして、私はA。こっちは齋。あなたはこの森にいつからいるの？』
「さぁ……わからないｺﾝ。もう100年くらいですかね？」
妖怪の100年ってヤヒコもそうだけど人間の倍近く勘違いしてたりもするからなぁ。
晴齋「この辺りである妖怪の古巣があるって聞いたんだが知ってるか？」
「さぁ？私は結構ここに居るけどそんな話聞いた事もないｺﾝ」
『そっか、教えて下さりありがとうございます。』
「いえ、あの、妖怪の見える貴女方はモノノケ庵を知っていますか？」
晴齋「……………。」
『えぇ、知ってるわ。ﾆｺ』
それ私達だし…
「私、隠世に行きたいんです。ですがどこで会えるのか全く分からずこうして来た人間に私が見える人には聞いているんです。」
『……晴齋…私いいかな？』
晴齋「…まぁいいんじゃないか？ちゃんとお代は貰うがな。」
『…狐さん、改めて御挨拶させて下さい。私は葉月A。モノノケ庵2代目主です。』
晴齋「同じくモノノケ庵2代目主、安倍晴齋。」
狐の妖怪の目線に合わせるため屈む
『黙っててごめんなさい。お代は頂くことになるけどよかったら私に隠世への道を開かせてくれませんか？ﾆｺ』
「い、いいの！？私隠世に行けるのですか！」
『えぇ、私達はこの現世にいる妖怪を隠世に送る事がお仕事ですから。ﾆｺ』
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作者名：reina | 作成日時：2019年5月6日 17時
