長月夜の妹は5 (ページ29)

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夜･真琴「〝遥！！なんでそんなに濡れてｯ！
待ってて今タオル…『〝お兄…〟』ん？どうした？〟」

宿直室に雨で濡れた遥が入ると当直だった兄･真琴がそこにいた

『〝今日…救えなかった。あの時みたいに……私は後悔したくなかったのに。上手くいかないな…〟』

真琴「〝遥…救えない事もある。遥は人一倍生命の重みを知ってるから考え込むかもしれないけど。でもだからこそ出来る事を患者さんにしてる事も俺は知ってる。〟」

『〝…………ごめん。取り乱した、今言ったことは忘れて。〟』

真琴「〝うん。あ、ちゃんとシャワー浴びるんだよ？〟」

『〝ん。分かってる。〟』

「…カット！OK！」

ﾌﾗｯ

『っ！あ、見せて下さい！ちょっと顔伏せすぎましたかね？』

「いや、夜くんにもたれてる感じの表情も良かったよ。1発OK。じゃあ次雨のシーンやるからAちゃんも外出ようか」

『ありがとうございます。ﾆｺ』

Aやっぱり熱ある。さっき一瞬倒れそうにもなったし撮影中に当たった手も熱かった。

手であれだけ熱いなら相当熱あるはず……

夜「居た、神崎さん！嘘つかずに言ってください。」

Aのマネージャーを捕まえ撮影の邪魔にならない様に端に寄って問い詰める夜

神崎「…夜くん？……どうかしたか？(苦笑)」

夜「A、熱ありますよね。あれ、やっぱり朝からですよね？？何度ですか？」

神崎「……なんの事だ？」

夜「神崎さんが知らないとは思えません。Aの熱何度でしたか？」

神崎「…朝の時点で8度前はあった筈だ。
朝1番に来て鎮痛剤と点滴して貰って今は薬飲んで撮影してる。」

夜「……止めなかったのはAが？」

神崎「あぁ。撮影が遅れてるのにこれ以上遅らせる訳にはいかないって。」

夜「…そうですか。やっぱり……」

神崎「多分最後までやり切る気だ。現に熱があるのに気付いたのは夜くん…と葵くんだけだろ？」

夜「気付いてたんですか…」

神崎「Aを見る目が2人とも心配そうだったからな。」