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『ま、って……いいです、から…』


陸「ダメ!お、俺もあんまり見ないように気を付けるから…風邪って侮れないんだよ!酷かったら入院する事もあるんだから!!今回は幾ら柚菜さんが平気って言ってもだめ。」


『ごめんなさ、い…』


消え入る様な声でそういう柚菜にドキッとしながら服を脱がせて身体を一織が用意したホットタオルで拭く


ゆ、柚菜さんの身体細い……見ないように…見ないように…


身体冷たい、そりゃそうだよね、冷たい水被って寒い外にいてもう3時間以上経ってるんだもん…



あ、傷…背中になんで傷……??
しかも全部跡だから前に出来たって事だよね?痛くないのかな…って見ちゃ駄目だよね!?もしかして柚菜さんが今日ずっと着替えなかったのってこの傷があるから……??


あ、でももしそうなら早く服着せた方がいいよね、見られたくないんだろうし


そう思った陸は急いで服を着せる


その後厚手のタオルケットに身体を包む


陸「あっ、ベッドの方がいいよね。柚菜さん動きますよ?」


『はい……』


ボーッとする頭で陸に支えられながら動いているのは何となく分かっていた



コンコン


一織「七瀬さんそろそろ入っても?」


陸「あ、うん!」



一織「柚菜さん、熱測りましょう。」


『ん、はい……』
どうしよう、仕事が残ってる…


単純な熱で倒れるなんてもう何年ぶりよ…



ピピピッと音がなり体温計を渡す


陸「っ!?」


一織「……貴方よくこれで帰り私達を乗せて運転しましたね…。ゾッとしますよ。」


『すみません…昨日の夜から8.2度ありました……』


頭に手を当ててすみません…と謝る



一織「そういう時は休んで下さい!」


陸「こんなに熱あるのに水までかかって寒かったよね、ごめん柚菜さん…」


『平気です。これくらい慣れっこなので……』
仕事で何度も熱の日にも水も弾丸も色々浴びて来たのに今日に限ってとか本当に有り得ない…


一織「ご家族に連絡します。大神さんに連絡先聞いてきますね。」


『……いません…』


一織「え?」


『両親……家族いません………10歳の頃から施設で育ちました…。』

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作者名:reina | 作成日時:2020年7月26日 22時

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