【あの日】 (ページ3)

今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:6,024 hit

1話始まりページ3

頭が重い、

ズキズキする、

そんな事を思いながら、重い瞼をゆっくりと開けた

『＿＿＿ここ、どこ？』

暗く、何も見えない視界

まだ、夢の中なの？

そう考え頬を抓ってみたが、じんじんとした痛みがあり、夢じゃ無さそう、と頬を撫でながら呟いた

『え、と…一先ず何か明かり、明かり、と…』

寝起き且つぼんやりとした思考の中で、とりあえず明かりを点けなければ、と考え付いた私は壁伝いでスイッチを探した

『(私の家じゃなさそうだし、誰かの家に泊まったっけ…？)』

なんて呑気に考えながら歩いていると、形からしてスイッチらしき物を探り当てボタン押した

パッと明かりが点く

暗闇の中に居た所為か、いきなりの明るさに目を細める

暫くすると明るさに目が慣れて行き、その場を見渡す

『友達の家…でも無いよね。え…ここ、ほんとにどこ…？』

その光景に思わず声が震える

見渡せば、私が今居る場所はコンクリート張りで、椅子と先程点けた明かりしか無い殺風景な空間だった

テレビとかで観る誘拐された人の部屋みたい＿＿＿＿

そんな考えが頭を過り、ぞわりと鳥肌が立った

私はすぐにドアを開けようとした

だが、ドアノブからはカチャカチャと音を立てるだけで、開く気配は全く無かった

『開かない…！どうして…』

ふと、ドアノブの下に目を遣る

そこには鍵穴があり、ドアの正面には脱出ゲームの様な問題が書かれていた

どうやら、この謎を解かなければ出られない仕組みとなっている様だ

『(…て事は、誰かの悪戯？

だって誘拐されていたとしたら、わざわざこんな事しないよね…)』

そんな事を考えながら、普段使わない頭を精一杯働かせ謎を解く

答えを当てた私は、ドアの鍵を片手に握り、震える手でそれを鍵穴に差し込んだ

＿＿＿＿カチャリ

『開いた…！』

出口のドアが開いたことにより、先程までの不安が安心と成り代わり、ホッと息をついた

『(向こうは、ちゃんと出口だよね…？)』

そんな一抹の不安を抱えながら、私はゆっくりとドアを開けた.