2 ページ40
そして来るデートの日!
私は朝早く起きて念入りにお化粧をし、待ち合わせ場所へと向かった。
普段あまり着飾らない分、こうして女の子らしい格好をするだけでとてもワクワクしてしまう。
「あ、いたいた! 司〜!」
約束の時間よりも30分ほど前に着いたにも関わらず既に待っていた司に声をかけると、彼女は驚いたように振り向く。
しかしすぐに笑顔になると、手をひらりと振って応えてくれる。
「おはよう、しかし随分早く来たんだな」
「司の方が早かったんじゃん。まあたくさん遊べるしいいよね」
司の言葉に対してそう返し、彼女の隣に並ぶ。
そのまま腕を組んでぎゅっと抱きしめれば、司は少し照れたような反応を見せた後、優しく微笑んでくれた。
やっぱりこの子が好きだなあと人知れず再確認しつつ、私達は歩き出した。
開店直後のショッピングモールは人が多い。休日だからかな。
とりあえず服屋さんを見て回ろうということで、最初は洋服店に入ることにした。
店内に入ってみればそこは可愛らしい女性物の服が沢山並んでおり、見ているだけでも楽しい気分になる。
……司と一緒にいるせいもあるかもしれないけど。
「ねえ司、これとか似合いそうじゃない?」
手に取ったワンピースを彼女に見せながらそう提案してみる。
すると司はじっとそれを見た後に口を開いた。
「ふむ……咲希に似合いそうなデザインだな! もっとも、咲希ならなんでも似合ってしまうだろうが」
「私は司に似合うかもって聞いたんだけど……咲希ちゃんに似合うなら司も似合うか」
彼女には、そっくりな妹さんがいる。
実際に会ったことはなくて、司の話で聞いて写真を見せてもらったことがあるくらいだけれど、雰囲気はすごく似ていた。
それにしたって、自分のことより先に妹さんのことが出てくるとは。
司って実のところは、自分勝手に見えて他人を優先するタイプなんだなと改めて思う。
「ん? どうした?」
私が黙ってしまったことに違和感を覚えたのか、司は私の方を見る。慌てて首を横に振ると、司は再び視線を商品の方に戻した。
48人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あきいろ(プロフ) - もみじさん» 恐縮です!! しかし毎秒更新となると比喩とかじゃなく作者がしんでしまいます (2023年2月1日 6時) (レス) id: 1e0caf27cc (このIDを非表示/違反報告)
もみじ(プロフ) - うちも死ぬほど好きです。死ぬほど欲を言うと毎秒更新してほしいです← (2023年1月31日 23時) (レス) id: d88f17f239 (このIDを非表示/違反報告)
あきいろ(プロフ) - りにゃぴさん» しぬほど嬉しいです……あまり更新できてなくて申し訳ないですが、もったいないお言葉ありがとうございます!! (2023年1月16日 6時) (レス) id: 1e0caf27cc (このIDを非表示/違反報告)
りにゃぴ(プロフ) - えっしぬほどすき。もっと評価されるべきだろ (2023年1月16日 2時) (レス) @page32 id: c7173f4811 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あきいろ | 作成日時:2022年7月27日 20時