半分も伝わらない-2 ページ14
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『えっ?じゃあ私自分であの部屋まで行ったんですか?』
「えぇ。ソファで寝てしまってそのままでは体を痛めると思って声をかけたら起きたようでしたが…あれ眠っていたんですか?」
『全然記憶にないです……』
「普通に歯ブラシ渡したら歯も磨いてましたし、部屋まで案内したらお礼もきちんと言ってからベッドに直行してましたが」
『マジですか…』
朝食後、アパートまで向かってもらい着替えやら鞄の移し替えなどを済ませてから米花デパートへと向かった。
そういえば、と寝る前のことを聞けばまったく斜め上の話を聞く。
まったく記憶はないのだが、沖矢さんが嘘をついている感じもないし多分本当のことなのだろう。
いやでも迷惑をかけたわけではないしいい…のかな?
うん、そういうことにしておこう
『米花デパートって意外と広いんですねぇ、ちゃんと見たの初めてかも…』
「そうなんですか?もう2年は
『あ、はい。でも思ったより遊ぶ時間がなくて…それに出かけるとなるとせっかくだからって遠出する事が多くて、近場って案外見ないんですよ』
トロピカルランドくらいならば越してきた頃に行ったが、いつでも行けるところほどあまり行かなくなるのだ。
「そうでしたか。あぁ、見たい店があるのですがそこに寄っても?」
『勿論です。もともと沖矢さんへのお礼にって来たんですしどこでも付き合いますよ』
「それはありがたい。Aさんも、何かあれば言ってくださいね」
『ありがとうございます。っていうかここ…』
沖矢さんについて歩きお店に着いたはいいが、見るとそこは女性向けの洋服屋だった。
沖矢さんの方を見て目をぱちくりさせていると、沖矢さんは私の肩を優しく抱き寄せて店の中へと進む。
………抱き寄せて?
『エッ!!?!?いや、なん、沖矢さん!?』
「どうしました?」
『いや、肩!肩!』
はて、というような顔で私を見るがこの人は天然入ってるのか。店員さんめちゃくちゃ見てるから。
「入り口で固まったまま動かなかったので…」
『うっ、動けます、動けますから離してください〜!』
「そうですか?」
パッと手が離されて瞬間で距離を開ける。
びっっくりした。ほんとに。スマート過ぎて一瞬気がつかなかったわ…!
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山梔子(プロフ) - ミモさん» ミモさん、初めまして。コメありがとうございます。色んな感想をお持ちいただけて嬉しいです。よろしければこちらの続編も今とは少し違うテイストになりますが読んでみて下さい^^ (2019年6月14日 10時) (レス) id: 5b80796d59 (このIDを非表示/違反報告)
ミモ(プロフ) - こんなにもどかしい思いをしたり、ハラハラドキドキしたり、感動したり……。こんなにたくさんの感情にさせられた物語に出会えて、今とても幸せです。あなたに、あなたの書いた小説に出会えて良かった。連載お疲れ様でした。 (2019年6月13日 21時) (携帯から) (レス) id: 0c3426b0a6 (このIDを非表示/違反報告)
山梔子(プロフ) - リンドウさん» リンドウさん初めまして。唯一の楽しみとまで言っていただけるとは…本当にありがとうございます。長らくお待たせしてしまい申し訳なかったです。お付き合い頂きありがとうございました! (2018年11月22日 12時) (レス) id: 1444a1608d (このIDを非表示/違反報告)
リンドウ - 本当に素晴らしい作品をありがとうございました。山梔子さんの作品が唯一の楽しみで夢主ちゃんと降谷さん二人のもどかしい想いがついに結ばれて良かったです。お疲れ様でした!! (2018年11月21日 23時) (レス) id: 282d8947f2 (このIDを非表示/違反報告)
山梔子(プロフ) - 夜空。さん» 夜空。さん初めまして。コメありがとうございます!そう言われると書ききった甲斐がありました(^○^)次回作は宣言通り夏のお話を一つ、と書いているところですのでまたよろしくお願いいたます。 (2018年11月20日 1時) (レス) id: 1444a1608d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:山梔子 | 作成日時:2018年6月22日 12時