イケメンでも許されない-8 ページ8
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あの後大体15分くらい経っただろうか、ドアの隙間からホールを覗くと山本さんの姿はもうなかった。
代わりに他のお客さんが2人、それぞれ別の席に座っている。
それを確認してホッと息を吐いた。
「Aさん、大丈夫ですか？」
『あ……安室さん、あの、すいませんでした。少し取り乱して。もう大丈夫です』
「気にしないでください。まだ混む時間でもありませんし」
ね？と笑う安室さんの顔に安心を覚える。
山本さんの笑顔はあんなにも怖いと感じたのに。
『安室さんて、マイナスイオンとか出てるんですかね』
「はい？」
『あは、なんでもないです』
すっかりいつものペースを取り戻した私は、エプロンを締め直して安室さんの横に立った。
『あ、これ持っていくやつですよね。私行きますね』
「じゃあ…あちらのお客さんに。お願いします」
『分かりました』
その後はだんだん人の入りが増えて、お昼になる頃には店内は賑やかな音で溢れかえった。
私は単純なのか忙しくなると朝のことなんか頭からすっぽり抜けていつも通り仕事をこなして、ピーク後のお客さんが落ち着く頃には気がつけばシフト交代の時間が迫っていた。
「Aちゃん、安室さん、お疲れ様です！」
『あ、梓さん！おはようございます』
「おはようございます、梓さん」
テーブルから下げた食器を洗っているとちょうど梓さんが出勤してきた。
梓さんは私がはいったばかりのときからお世話になっている。いわば先輩だ。
私と違って天真爛漫、と言った感じで梓さんのお得意様も少なくはない。
「梓さん、何かいいことでもありました？」
「え〜？分かりますか？」
『何かあったんですか？』
確かに言われてみれば、心なしかいつもよりも機嫌がいい気もする。
「実は近所の福引で遊園地のチケットが当たったんですよ！だから今日はいい日だなと思って」
じゃん、と封筒からチケットを出して掲げて見せる。
うん、可愛い。
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山梔子(プロフ) - 真紅さん» 真紅さん初めまして。コメありがとうございます！頑張ります〜(^○^)！ (2018年6月20日 0時) (
レス) id: 1444a1608d (このIDを非表示/違反報告)
真紅(プロフ) - 面白いです！更新頑張ってください！ (2018年6月19日 16時) (レス) id: f5ab8da157 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：山梔子 | 作成日時：2018年5月24日 23時
