イケメンでも許されない-6 ページ6
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兎にも角にも、多分安室さんはこの人の行動を見かねて助け舟を出して来れたことには間違いなさそうだ。
もう少し別の方法がなかったのかと思いたいところはあるけど、この流れでここから離れたい。
『安室さんすいません、向こうの片付け任せきりで。今戻ろうと思ってたんです。少し長話しすぎましたね。山本さんも、失礼しました』
山本さんに口を挟まれる前に早口でそういった。
あくまで私から長話をしてしまった、ということで押し切れば向こうは何も言わないだろうと思ったからだ。
山本さんは思惑通り「いや、大丈夫ですよ」と多少不服そうながらも声をもらした。
安室さんも、これ以上は不要と判断し私を解放する。ちらりと見た顔はいつも通りの笑顔だった。
「いやぁ、本当に失礼致しました!あ、僕の勘違いでしたけど、これお詫びのケーキなのでよかったら食べてください!」
「はぁ、どうも…………」
いつもの声色でぺこりと頭を下げる安室さんを見てふぅ、と小さく息を吐く。
本当に助かった。向こうに戻ったら安室さんにきちんとお礼を言わないと。
それから、今度から山本さんの接客は控えさせてもらうことにしよう。
そう思って踵を返した時だった。
「あ、そういえば。あと一つだけ、よろしいですか?」
「え?はい…」
『……安室さん?』
再び発せられた安室さんの言葉に、私も山本さんと一緒に首を傾げた。
これ以上何を言うのか。そう不思議に思い安室さんを見るとバッチリと視線がぶつかり、ふ、と安室さんが笑った。
と、思った時にはぐんと腰を引かれてまた安室さんの胸に、今度は正面から収まる。
え?え?なに、なにこれ?何して
「これは私事なんですが………
残念ですけど、彼女は僕の恋人なので。過度なお誘いはやめてくださいね」
「えっ」
エッ???
今、なんて
「それでは、失礼します」
突然の爆弾投下に唖然としている山本さんに御構い無しに、安室さんはにこりと笑って、私の手を引きその場から離れていく。
え?え?私も状況が分かっていないんですけど……?
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山梔子(プロフ) - 真紅さん» 真紅さん初めまして。コメありがとうございます!頑張ります〜(^○^)! (2018年6月20日 0時) (レス) id: 1444a1608d (このIDを非表示/違反報告)
真紅(プロフ) - 面白いです!更新頑張ってください! (2018年6月19日 16時) (レス) id: f5ab8da157 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:山梔子 | 作成日時:2018年5月24日 23時