専売特許-22 ページ47
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『うわーもう最悪』
駅から自宅への道を早足になりながらそう呟く。
思ったよりも実験が長引いた挙句手違いがありいつもより1時間も遅い帰りになってしまった。
お陰で外はもう真っ暗だ。
『家に着くのは23時すぎるか…』
もともと東都大学は講義の終わる時間が遅い。そのため最終時間までの時間割だと遅い帰りになるが、今日はさらに遅くなった。
こんなんなら大学の近くのアパートでも見つければよかったかと思うこともあるが、今の場所なら大学近くよりも家賃も安い上にご近所さんも優しいし何だかんだ好きなので満足している。
ただやはり米花町を中心とした街はやたら事件が起こることが多いので夜遅くなるのは些か心配なのだ。
とはいえまだ自分は巻き込まれてない方では…ある。多分。コナン君なんかほぼ皆勤賞だとかなんとか、前に事件で捜査していた高木さんがボヤいていた。となると必然的にコナン君の周りの蘭ちゃんや少年探偵団の皆は私より多く事件に関わっているのではと思う。
まぁ、大体コナン君の関わる事件は早期解決すると定評があるから死神と言われる反面小さな名探偵という名も伊達では無い。
ここ最近はそれに加えて世良真純ちゃんや安室さんも探偵として関わることも多いし、前には関西から西の高校生探偵との噂である服部君までも来たことがあった。
…コナン君は探偵ホイホイでもあるんじゃないか?
なんて、そんなことを考えているうちに米花公園まで出ていた。
もちろんこんな時間なだけあって誰もいないし、聞こえるのは虫の鳴き声だけだ。
『………ん?』
と、そう思ったのだがピタリと足を止める。
なんか今、音が聞こえたような…
自分の足音と別に足音というか物音というか、ハッキリしないが何か聞こえた気がした…けど
『気のせい……?か…』
辺りを見回しても人影などはなく、街灯が時々ジジ…と揺れているだけだ。
…猫かなんかでも居たのかな
首を傾げつつまた歩き始めても次は何も聞こえなかったため、やはり気のせいだったようだ。
さっきまで事件がどうとか考えてたからまたフラグ回収でもするのかと思ってしまった自分に苦笑いしつつ、アパートまでの道を急いだ。
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山梔子(プロフ) - 真紅さん» 真紅さん初めまして。コメありがとうございます!頑張ります〜(^○^)! (2018年6月20日 0時) (レス) id: 1444a1608d (このIDを非表示/違反報告)
真紅(プロフ) - 面白いです!更新頑張ってください! (2018年6月19日 16時) (レス) id: f5ab8da157 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:山梔子 | 作成日時:2018年5月24日 23時