専売特許-20 ページ45
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「Aさんおはようございます、好きです」
『……………おはようございます。相変わらず早いですね』
今日は水曜日。1週間の折り返しである。
それでもって、安室さんのあの宣言から3日目の朝。
安室さんは一昨日と同じように無駄に爽やかな笑顔でお約束の言葉を告げる。
本当に毎日言ってくるとは。因みに昨日は私が一日大学でシフトに入っていなかったため油断していたら電話だった。一瞬で切った。暇か。
「ふ、返事は素っ気なくても分かりやすいですね。そんなところも好きですが」
『ほんと黙ってください………』
分かってる。分かっているのだ、顔に出ていることくらいは。例え冗談だろうと何度言われてもこればかりは慣れないのだから仕方がない。
それなのに、だ。
安室さんは大人の余裕なのかこれっぽっちも照れている様子もなければ、むしろ私の反応を楽しんでるだけというか。
「あぁそうだ、実はこの間話していたデザートについて新しく考えてきたんですよ。
あとで試作しようと思うのでよかったら食べてもらってもいいですか？」
『あぁ、はい……ありがとうございます…』
「よかった。Aさんには一番に食べてもらいたいと思ってたので」
言うこととかやること全部ずるくて
なんだか、最近そんなところが少しむかつくのだ。
隠しもせずにムスッとした顔のまま開店前の準備を進める。
この自分でもよくわからないもやもやのせいで、全く気分がよろしくない。
『あ〜〜…ダメだ…』
Openとかかれた看板をひっくり返しながらため息をつく。いけない、バイト中くらいは頭を切り替えなくては。
もう一度自分の中で確認する。
安室さんはただ反応を見て楽しんでるだけ、それだけのことだ。それなら私が気にする必要などないし飽きたらきっとまたいつも通りだ。
そうだ、第一なんだってこんなに安室さんのせいで私が悩まなくてはならないのだ。
もし本気で安室さんが好きだと言ってれば流石の私でも分かる。それにきっと素直に気持ちは受け取れる。でもそうじゃない。
『それで何でこんなむかむかするんだろう』
何度同じ考えを巡らせても、結局行き着くところはそこだった。無論、そこから先の答えは出なかった。
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山梔子(プロフ) - 真紅さん» 真紅さん初めまして。コメありがとうございます！頑張ります〜(^○^)！ (2018年6月20日 0時) (
レス) id: 1444a1608d (このIDを非表示/違反報告)
真紅(プロフ) - 面白いです！更新頑張ってください！ (2018年6月19日 16時) (レス) id: f5ab8da157 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：山梔子 | 作成日時：2018年5月24日 23時
