専売特許-8 ページ33
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「コナン君!」
「ら、蘭姉ちゃん…!」
そのまま他愛のない話をしながら歩くこと5分、見慣れたポアロが見えてきたと思えば、その横の階段のところに蘭ちゃんがいた。
どうやら帰りの遅いコナン君を探しに行くところといった感じだった。
「こんな時間までどこいってたの?何度も連絡したのよ?」
「ご、ごめんなさーい」
もう、と言いながらも安心した顔を見せる蘭ちゃんはなんだか本当のお姉さんみたいだ。
うーん、微笑ましい。
「すみません、僕が連れ回してしまって」
「いえ、送ってもらったみたいでありがとうございます!それにAさんも!」
『あぁいや、私はたまたま会っただけというか一緒に送ってもらっているだけというか』
ぺこりと頭を下げる蘭ちゃんに慌てて訂正する。
むしろ助けてもらったくらいだからなんだか申し訳ない。
それとなく今までの経緯を説明して、コナン君をあまり怒らないでやってほしいとだけいっておく。
『そういうことだから、今度コナン君にポアロでご馳走するね。よかったら蘭ちゃんも』
「私はいいですよ!何もしてないですから!」
『いつもお世話になってるからサービスだよ。じゃあ、またね。蘭ちゃん、コナン君』
「バイバイA姉ちゃん!昴さん!」
半ば強引に得意の接客スマイルで押し切れば、蘭ちゃんは諦めたようにありがとうございますと笑った。そのまま別れを告げて、大きく手を振るコナン君に手を振り返す。
「では行きましょうか」
『家までもうすぐですし、ここまででも大丈夫ですよ?』
「そういうわけには行きませんよ。周り暗くなりましたし」
自然と横に並ぶ沖矢さんに視線をやるが、さらりと返されたので大人しく送られることにする。
安室さんもそうだけど、この人も意外と頑固そうだなぁ…なんて思いながらちらりとガラス越しに店内を覗いてみれば、いつものごとくJKたちに話しかけられている安室さんが見えた。
『…………』
「喫茶店の彼とは、そういう関係ですか?」
『ウワッ!びっくりした…ち、違いますよ』
にゅ、と出てきた顔に思わず飛び跳ねる。
というか顔ちっか……!急に目の前に出てきたからびっくりしたじゃんか…!
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山梔子(プロフ) - 真紅さん» 真紅さん初めまして。コメありがとうございます!頑張ります〜(^○^)! (2018年6月20日 0時) (レス) id: 1444a1608d (このIDを非表示/違反報告)
真紅(プロフ) - 面白いです!更新頑張ってください! (2018年6月19日 16時) (レス) id: f5ab8da157 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:山梔子 | 作成日時:2018年5月24日 23時