勘違いの始まり-8 ページ19
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『はーー………私って結構単純なのかな』
そうはたと気づいた時には、もうお昼を過ぎていた。
遊園地内にあるレストランのテラスで、ズコ、とコーラをストローですする。
何だかんだ安室さんに振り回されてるし、てか普通に楽しいし。ジェットコースター3周くらいしたし。なんなら小さい子に混じってメリーゴーランドとか乗りましたけど。
29歳のいい年したおっさ…お兄さんなのに白馬に跨る姿はさながら王子様のようだった。周りから黄色い声が聞こえた気もしなくもない。
『あ、このホットドックおいしい…』
もぐもぐと口を動かしながら、さっきまで安室さんが座っていた対面を見た。
今安室さんは電話が来たとかで、少し待っていてくださいとだけ言い残して席を外している。
結局あの後も手は繋いだままだったし、それでも鬱陶しいとか、暑苦しいとか、そんなのも何も感じないくらいには楽しんでいた。
というか安室さんのエスコート術半端ない。
あれで慣れてないなんて嘘だ。
一つ一つの私を気遣う行動を思い出して、今日は暑いなと空を仰いだ。
ほんっとーに…憎らしいほど晴天…
『っていうか安室さん遅いな…電話長引いちゃってるとか?』
ちらりと安室さんの行った方向に目を向けるけど、戻って来ている様子はない。
テーブルの上の飲み物は、既に大粒の水滴が垂れ始めていた。
まぁ、探しに行ってまだ電話中じゃ悪いし食べ物とかもここに置いていけないし。
大人しく待つしかないのだけど。
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「遅くなってすみません。電話の方が長引いてしまって…」
『あ、安室さん。おかえりなさい。探偵のお仕事とかですか?』
「よく分かりましたね、そうなんですよ」
それから5分ほどで安室さんは戻ってきた。
意外と早かったなと思いながら聞けば、やはり探偵の仕事らしい。
『またJKからの依頼ですか?』
「いえ、今回は男性の方ですよ」
にやりと笑って聞けば、安室さんは逆に苦笑いをしながら頬をかいた。
というのも、以前安室さんの番号をゲットして話す口実に依頼、という形を利用した子がいたからだ。
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山梔子(プロフ) - 真紅さん» 真紅さん初めまして。コメありがとうございます!頑張ります〜(^○^)! (2018年6月20日 0時) (レス) id: 1444a1608d (このIDを非表示/違反報告)
真紅(プロフ) - 面白いです!更新頑張ってください! (2018年6月19日 16時) (レス) id: f5ab8da157 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:山梔子 | 作成日時:2018年5月24日 23時