おとんとこどもたち《JW》

だいじょーぶ？ リク ページ17

流星side






｢げほっげほっ、ん゛んっ、｣







朝起きてから口に手を添えるのも面倒臭いくらい頻繁に咳き込んでるのは自覚してる








季節の変わり目なんて大っ嫌いや



もう最悪








咳だけやから今のうちに治したいなぁ









それでも子供たちが起きてくると忙しすぎて咳するのも忘れるくらい









｢よし！みんな準備できたな？！できた人から靴履いて！はよはよ！遅れんで！｣





｢じゅんたできた！先行くで！だいき！ほらはよ！｣




｢んー、まってぇ｣




｢おにいがこれ持ったるからランドセルだけ背負ってや！｣









淳太に腕を引っ張られて飛び出してっただいきは｢いってきます｣言いながら後ろ向きで手を振る








｢だいき！ちゃんと前みいや！じゅんた！だいき、よろしっ…げほ、げほっ、｣









あぁ、あかん、おっきい声出せへんのやった









｢のぞむー、あれ、どこや｣




｢んー｣




｢お、おった。なにしてん｣




｢ん｣




｢これ？帽子？かぶりたいん？｣









ハンガーラックにかかってたキャップを指さしてぶんぶん首を縦にふる








｢お！せやったら、お口で言うてみ？ぼうし、ください。はい！｣





｢…？ぼ…？｣





｢おー、おしいおしい。ぼ、う、し、｣




｢ぼぉー、しっ｣




｢ください｣




｢くぅらさい！｣





｢お！ええやん笑 はい、どーぞ｣




｢あーと！｣









あ、そんなんやってる場合ちゃうかった






望をチャイルドシートに乗せて自分も運転席に乗り込んだ









いつも通り滑り込みで幼稚園に送り届けて、会社まで車走らせて、駐車場でやっと一息









｢はぁ…つかれたぁ…｣








無意識に｢つかれた｣なんていつも言わない言葉が口から出た









え、なんで？疲れてんのか、俺









エレベーターでビルを上がって一通り挨拶してデスクにつく








｢藤井くん、そこの資料今日中にあげられる？無理だったら明日でも…あ、でも明日か…それだと印刷…｣




｢大丈夫ですよ！ここですよね、やっておきます｣









上司も事情は知ってくれてるけど、シングルファザーを理由に仕事を疎かにはしたくない






できるだけ精一杯頑張りたいっていうのは、俺の意志


あとは単純にそんなん理由にしとったらおかんに怒られそうやし笑









パソコンに集中していると、デジタル時計が13時をを知らせていた

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