風邪っぴきアイドル3《JW》

重岡 リク ページ42

重岡side








｢しげ呼ばれてるー｣






｢はーい｣









今日は7人で雑誌の撮影







もうそろそろ季節も冬やし、もこもこの服であったかくて、休憩中は寝てしまいそう笑









スタジオに向かうとすでにスタンバイしてる小瀧が｢よっ！｣と手を上げた









｢俺より早いなんて珍しい｣








｢俺が早いと言うよりしげが遅いんやけどな、笑｣







｢服あったかくてうとうとしてた、笑｣









いつも通り撮影が進んで一旦休憩に入った








用意されてた椅子に座って小瀧と喋ってたんやけど、なんとなくお腹痛いような、









｢トイレ行ってくるわ、呼ばれたらすぐ戻ります言うといて｣





｢はーい｣









トイレに着くと思ってたより下しててお腹がキリキリ痛む









一瞬泣きそうなくらい痛かったけど波が引いて割とすぐトイレから出れた









楽屋で床に座っとったから冷えたんかな









｢おまたせ、呼ばれた？｣






｢ううん、まだ大丈夫｣









後半の撮影が始まると、こんどは乗り物酔いした時みたいな気持ち悪さが襲ってきた









体の違和感を自覚しないようにしてたけど、撮影のスタッフさんに｢笑ってー｣って言われてもうて、少し焦る









必死に笑顔作るけど、考えれば考えるほど気分悪くなって、何回も唾液を飲み込んだ









｢今日は以上でーす｣









待ちに待った終わりの合図









トイレに駆け込もうと思ったら、なぜか腹痛も吐き気もおさまってる









なんや、勘違いか









｢…げ、しーげ！しげ！｣





｢……あ、あぁ、え？笑｣





｢気抜けすぎやん笑 楽屋戻らんの？｣





｢あ、いくいく｣









｢おつかれしたー！｣と元気な声を張り上げて帰る小瀧の後ろを、スタッフさんに挨拶しながら通り過ぎた









歩き出すとまたちょっと気持ち悪い







なんやこれ









楽屋まで意外と遠くて、どんどんはっきりした腹痛と吐き気に変わってく









｢ん？どこ行くん？用事？｣









サッとトイレいって戻ってこよ思ったんに気づかれて振り向かれた









｢ちょっと。思い出したから先行っとって｣









わりと限界で心の中でやばいやばい連呼しながらトイレに駆け込んだ









個室の扉を開けた瞬間吐いて、一通り治まったら今度は下して









結局トイレ出るまで15分






もう体力も限界やった

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