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「A」
座ったまま泣き続けるAを抱き締めた。
「6年前､俺は既に練習生だった。事務所に内緒でバイトしてて､バイトの最中に事故ったんだ。
それでバイトしてたのがバレて､お前んとこに行けなくなった。
この6年お前の歌声を忘れる事はなかったし､何回か聴かせてくれたこの曲も忘れられなくて､お前に歌ってほしくてずっと作業を続けてきた。
らしくねぇけど､これは俺からのラブレターってことだな」
『ユンギっ……』
「言ったろ？お前の歌声は最高だって」
『うん…。あの時すっごい嬉しかったけど､それから来なくなったし､ずっとユンギの事がわかんなかった…』
「ごめん。俺､感情表現得意じゃねーから」
『もう…私の前からいなくならないよね？』
「え？」
『だって歌詞に僕がいなくてもとか､ここにいられないとか……そんなのもう嫌だから…』
なんだこいつ。
めちゃくちゃ可愛い事言うじゃねーか。
「世界一の声を持ったお前を離せるわけねーよ。音楽家として。1人の男としてもな」
『/////』
「顔真っ赤だけど」
『うっ､うるさい///』
「Aこっち向け」
『何っ……んっ』
伝えたい事を何一つうまく伝えられない俺だから､俺の想いが伝わるようにキスをした。
『いつも突然なんだから///』
『でも､私とユンギの笑顔シンクロしたね』
「は？」
『今のユンギの顔デレデレだよ』
「はっ､はっ!?」
『冗談(笑)』
「てめぇ///」
『ふふっ。ユンギも顔真っ赤だよ(笑)』
その笑顔は俺を暗闇から連れ出してくれた。
俺とAが出会えた奇跡。
心から感謝してるよ。
【END】
ちっぽけな愛のうた / 小枝理子&小笠原秋
2021.1.30
修正致しました。
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作者名：ruka | 作成日時：2020年5月14日 19時
