ちっぽけな愛のうた -SUGA- ページ44
「」→YG
『』→A
《》→その他
BTSメンバーやスタッフさんなどは､
「」に名前を付けます。
俺が練習生になった頃､お前と出会った。
事務所に内緒で配達のバイトをしていた時､耳に入ってきた声。
声の方に顔を向けると､ギターを片手に歌っている女がいた。
ボーッとそいつを見ていたら､
『ありがとうございます』
とそいつの声がした。
「え……」
『最後まで聴いて下さったのは､あなたが初めてです』
「いつもここで歌ってんの？」
『はい､週4くらいで歌ってます。大体皆さん素通りされていかれますけど』
「……また来てもいいか？」
『えっ…』
「しょっちゅう来れるわけじゃねーけど」
『……はっ､はい！！』
お前は嬉しそうに笑った。
その笑顔に俺の心の闇に光が射した気がした。
あれから何度かそいつの歌を聞きに行き､終わったら少し話をするのが習慣になった。
「は？お前93年生まれなの？」
『はい』
「マジかよ……だいぶ下だと思ってた」
『ユンギさんは？』
「俺も93年」
『え､えぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!』
「うるさっ…」
『ユンギさん落ち着いてるから結構年上だと思ってた……』
「失礼だな」
『すみません……』
「何月生まれ？」
『えっと､3月です』
「何日？」
『10日です』
「俺9日。1日早いからオッパだな」
『え！1日違いなんて凄い！てか何でそれでオッパなんですか！』
「ㅋㅋㅋ冗談」
『ユンギさんも冗談言うんですね』
「うっせぇ。つかユンギでいいしタメ口でいい」
『うん！わかった』
こいつの声は不思議と俺の心を穏やかにしてくれた。
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作者名：ruka | 作成日時：2020年5月14日 19時
