パープル・メモリー 3【Jun.M】 (ページ10)

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○ 協力要請ページ10

月末の在庫の棚卸しが始まった。

いらないダンボールを潰しながら

時計を見ればお昼前。

私は店頭よりもバックヤードにいた方がいいと

まえたんが店長にセクション変更を頼んでくれた。

職場特定まではされないだろうけど

様子見の為だとまえたんがレジへ。

A「いてて、足が」

ずっとしゃがみっぱなしで疲れた足を

ストレッチで伸ばして

少し一息つく。

そろそろお昼休憩入ろうかなんて思っていた所に

連絡が入って少しビクつく。

恐る恐る画面表示をチェックすれば

相手は

A「相葉さん？」

ダンボールとカッターを端に寄せてから

通話ボタンを押した。

A「もしもし、椎名です」

雅『こんにちは、相葉ですけど。今お仕事中だった？』

A「はい。といってももうすぐ休憩ですけど」

雅『そっかそっか、そうだよね…』

A「どうかしました？」

電話の向こうで相葉さんが

他の誰かと話しているのが聞こえる。

声が小さくて何を言ってるかは聞き取れないけど

A「ニノ、くん？」

和『しっかりバレてんじゃん』

クスクスと笑いながら声が大きくなって

聞き取れる距離まで近付いてきたらしい

ガサガサとマイクの擦れる音がした。

和『あのさ、ちょっと協力して欲しいんですよ』

A「協力？何を………」

和『そりゃあ、ねえ？』

含みのある言い回しに

首を傾げながら彼からの言葉を待った。