第3話 ページ4
ASide
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『もう無理死んじゃうって……』
雄英やーめた、と言って過去問を放り投げれば、それは近くのプリントの山に衝突し崩しさった。
それを黒霧が一瞬で戻すから、俺は何度も同じ事をして抵抗する。
「ガキか」
『ガキだし！！』
唐突に聞こえてきた声に反応すれば、ガキならもっと学問に励めと言われてムッとする。
今は4月。1年後雄英に入ろうとか、学力足りなさすぎて頭パンクしそう。義務教育なんてやってないから、黒霧に教わりながらの勉強だ。死ぬ予感しかない。
あーでも、死因＝勉強というのも面白いかも……。
何を考えているのか察知したのか、死柄木さんが深くため息をつく。
「来年から楽しい楽しい高校生活なんだから、死んでちゃダメだろ」
でも倍率ヤバくて、高校生活とか始まらなそうなんだけど。……なんかガリ勉多そうで楽しいかも怪しくなってきたし。
『高校生活って言うけど、教員とか用務員じゃダメなの？』
俺背は高いし、先生とか見た目的にいけると思うと言えば、雄英のヒーロー科の教師は全員がヒーローだと言われて仰天する。勉強道具がひっくり返るのも気にせず、俺は死柄木さんの元へ駆け寄った。
「親愛なる死柄木さんは、そんな地獄に俺を行かせようとしてたの？」
そりゃ死には近づくけどさ、と言えば、これはお前のためなんだと返されて口をつぐむ。
「学力的に、一度も義務教育行ってないだろ」
折角だし経験する筈だった “普通のこと”を味わってくれば。その言葉に、少しだけ考えてみた。
普通。
…普通ってなんだろう？
死柄木さんが俺を殺すよう仕向けまくる毎日は普通と言わないのはわかっている。ただでさえヤバイ幼少期を過ごしてきた以上、普通とか未知の存在としか言いようがない。
『………』
「俺があからさまに優しくするとかSSRだし」
素直に受け取っておけよ、と言うその言葉には裏がある気がして仕方がない。
でも、自分で優しくしてると認めたような言い方は嬉しかった。仲はいいと思うけど、死柄木さんはツンデレのデレが全くないからね。
『というかSSRって聞いてゲームしたくなっちゃったじゃん！責任とってよマジで』
「いいぜ、ボコボコにしてやる」
勉強を放り出してゲームを探し出す二人を見て、黒霧がため息をついた。
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ゆきや(プロフ) - 千椛さん» コメントありがとうございます！遅くなってすみません、少しずつ更新できたらと思っております。 (2022年9月7日 22時) (
レス) @page3 id: d2fcd45d7d (このIDを非表示/違反報告)
千椛(プロフ) - 更新楽しみに待ってます！ (2022年9月2日 18時) (レス) @page2 id: 5a2d0a48cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきや | 作成日時：2022年8月26日 3時
