第2話 ページ3
死柄木Side
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「……嘘がお上手ですね」
「バレるの早」
アイツが寝静まった後。眠れない俺は黒霧と話していた。
結構上手いこと言ったと思うんだけどと軽く睨むと、無言でカルボナーラを出された。
こちらも無言でかぶりつけば、濃厚なクリームと半熟卵の旨味が口の中で広がる。カリカリになっているベーコンがいいアクセントだ。
……これで機嫌直せってことかよ、ガキじゃあるまいし。
心の中で毒づくもその美味しさに手は止まらず、仄暗いバーに食器が擦れ合う音が静かに響く。
「最終的に本当のことになるんだから、別にいいだろ」
“中に人が必要”ということ。かなりの説得力はあるが、そもそも中に人など “必要ない” 。
今年も何か企んでいそうだし、教えを乞えば彼は…先生は、雄英の内状であろうと与えてくれるだろう。
まぁアイツを送り込んで役立つこともありそうだし、気が向いたら情報収集はさせる。そういう意味では嘘ではないと言えば、黒霧に屁理屈をこねないでくださいと怒られた。
「本当の目的は別にありそうですし」
「おい、そっちもバレてんのかよ」
意味もなくパスタをフォークに絡ませて遊ぶのをやめ、やれやれと首を振る。
……Aと距離を取るため。
いかにして俺に殺されるか。そのデモンストレーションを楽しむ様に、最初はコイツ狂ってんなと思いつつ楽しく見守っていた。しかしそうもいかない。
あと何種類あるんだよ……！！
俺に殺されたいがためにやっているのはわかる。
でも何年も過ごせば大事に思えてくるわけで、アイツの行動は精神に訴えかける何かがあると思うようになった。
どこで得て来たんだというくらいの殺しの知識。それを惜しみなく使うから、もっと有効活用できるだろと言えば、とっくの昔から商売もしていて、結構稼いでるとかほざいていた。
「……どんだけ悩ませれば気が済むんだよ」
「………」
基本アイツの過去には不干渉。
それでも悲惨な人生を送ったんだろうと思えば、年相応の生活をしているところも見てみたいとも思った。
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ゆきや(プロフ) - 千椛さん» コメントありがとうございます！遅くなってすみません、少しずつ更新できたらと思っております。 (2022年9月7日 22時) (
レス) @page3 id: d2fcd45d7d (このIDを非表示/違反報告)
千椛(プロフ) - 更新楽しみに待ってます！ (2022年9月2日 18時) (レス) @page2 id: 5a2d0a48cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきや | 作成日時：2022年8月26日 3時
