第11話 ページ12
ASide
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『(これでヒーロー育成の最高峰ってまじで言ってるの？)』
一瞬そんなことを思ったが、たまたま雑魚が同じ会場だったのかもとすぐさま頭の隅に追いやった。
こういうのもどうかとは思うけれど、感情だけに任せて他の受験生に嫌がらせをしたつもりはないんだ。たとえ“操血”のような遠距離型の個性でなくても、近接で倒せるように。死柄木さんの言う“無理ゲー”にはならないように。
＿＿＿僕は入り口から一番遠くにいる敵から倒していた。
間違っても雑魚たちのためではないけどね。ヒーローらしからぬ行動だって言われて落とされることもあるだろうし。
さっきまであった興奮が跡形も無くなって物足りなさを覚えていると、突然俺の顔に影が落ちた。
『ん？』
今までの人生経験からパッと距離を取れば、巨大なロボットが俺を見下ろしていた。俺結構上空に浮いてると思うんだけど、それでも見上げるほどに高い。
『そうそう、求めていたのはこれだよ、これ！！』
＿＿＿＿体が熱くなって、体を背けて逃げ出す受験生たちを見て、自然と口角が上がっていく感じがする。
その時は他の受験生のことはどうでもよくて。ただただ面白そうだという高揚感だけが頭の中を駆け巡っていて。
後先考えず、パーカーごと腕を切り裂いた。
……あんなに大きいからまだまだ足りないかもしれない。もっともっともっともっともっと
『ふふ、ふふふ』
これだけあれば足りるだろうと腕を動かせば、血液が思い描いていた弓矢の形を形成する。ぶっつけ本番だけれど、なんだか成功する予感がしていた。
そーれ、という言葉と共に放てば、肌に感じるような熱い爆風と共にロボットは四散した。
『よっしゃぁぁぁ！！！』
見たかお前ら、すごいだろうと“上に”視線をやれば、間抜けヅラがよく見えてくる。そしてそこで俺は異変に気づいてしまった。
『落ちてる……！？』
高揚感は一気に焦りとなった。慌てて血液を集めようとするも、こんなの初めてで、これを打開できるイメージが固まらない。
僅かに減速には成功したけれど、受け身を取るにはあまりにも体勢と風向きが悪い。
どうせ死ねないし痛いのを我慢しようとギュッと目を瞑れば、うお、という声と共に誰かに抱き止められた。
「ふう…大丈夫か」
『えへへ、ありがと』
不本意だけど、という言葉を飲み込んで、俺は紫髪の男子に柔らかく微笑みかけた。
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ゆきや(プロフ) - 千椛さん» コメントありがとうございます！遅くなってすみません、少しずつ更新できたらと思っております。 (2022年9月7日 22時) (
レス) @page3 id: d2fcd45d7d (このIDを非表示/違反報告)
千椛(プロフ) - 更新楽しみに待ってます！ (2022年9月2日 18時) (レス) @page2 id: 5a2d0a48cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきや | 作成日時：2022年8月26日 3時
