検索窓
今日:6 hit、昨日:3 hit、合計:29,602 hit

第三百八十話 ページ4

私が目覚めてから数日後。

ついに、元の時代へと帰る日がやってきました。

今は各自この時代の者達と別れの挨拶をしている最中です。

ちなみに私はつい先程草壁さんとラル、ユニ達ジッリョネロファミリーの皆に挨拶をしてきました。
とくにラルは大人の姿をまたしばらく拝めなくなるのでね、目にその姿を焼き付けてきました。
ユニ達も住んでいる国が違うのでなかなか会いに行けませんからね。少し寂しいです。


貴「骸、凪達を知りませんか?そろそろ時間らしいので早く行かなければ」

骸「凪達なら犬の荷造りを手伝っているはずです。
昨日あんなに言ったのに荷造りしないままギリギリまで寝てましたから」

貴「ふむ……そろそろゲーム機を没収しなければなりませんかねぇ」


夜更かしをするなとあれほど言っているのに。
元の時代に戻って早々説教は控えたいのですが、こればかりは仕方ありません。


貴「では私達は先に集合場所へ行きましょうか。瞬間移動……は使えないんでしたね」

骸「はい……残念ですが」


目が覚めてから暫くしていると、奇妙な違和感があった。
その違和感が何なのかを知るのに、あまり時間はかかりませんでした。


私が失ったもの。
それは、元々宿していた風を操る能力以外の全ての能力が使用不可能になってしまったことでした。

瞬間移動も、超直感も、再生も、何もかもができない。
嬉しいのだか悲しいのだか、なんとも言えない不思議な気持ちです。

まぁ、目が見えない等と言った殺し屋にとって欠かせないものが失われていなかったことに今は感謝することにしています。

骸達もそう言ってくれましたからね。


骸「師匠、行きましょう。遅れると恭弥君が煩いですし」

貴「……そうですね。あまりにも群れている時間が長いと彼、蕁麻疹が出てきてしまいますからね」


そして私は、小さな荷物を抱えてこの時代の自分が使っていた部屋を後にした。


机の上にキョウヤの指輪と、一通の手紙を置いて――。

第三百八十一話→←ちょっとした宣伝



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (32 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
98人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

霧の守護者 - ものっすごく面白かったです!便新待ってるのでヨロシク御願いします! (2017年10月22日 0時) (レス) id: 85a4490bed (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - すごく面白いです!更新頑張って下さいね。待ってます! (2017年3月10日 22時) (レス) id: 058c745464 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - マカロンさん» コメントありがとうございます!よければこれからも、見続けてくれたら幸いです。 (2017年1月30日 19時) (レス) id: 9cc67b209f (このIDを非表示/違反報告)
マカロン - 更新お疲れ様です! (2017年1月30日 17時) (レス) id: f2c2ccd8c9 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 冬乃さん» 冬乃さん、合ってます。私が間違ってました。いや〜……今までずっとキャッバローネだと思ってました。キャバッローネなんですね。ご指摘ありがとうございました!直しときます!! (2016年12月27日 16時) (レス) id: 9cc67b209f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2016年11月14日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。