第三百八十九話 ページ14
主人公side
皆を探しながら、私は昔のことを思い出していた――。
施設で初めて会った、三人の日本人。
くすんだ銀髪の髪をしていた女の子の名前はリン。
一人称が俺な男の子の名前はカイ。
そして……。
一人称が僕な男の子の名前は、キョウヤ。
三人とも、両親に捨てられてオスペダーレファミリーに拾われた仲だった。
知らない異国に連れて来られて心細かった私は、すぐに三人と仲良くなった。
中でも、一番仲良くなったのはキョウヤだった。
どうしてかはわからなかったけど、一番お互いの境遇が似ていたからなのかもしれない。
キョ「新入りって、名前あるの？」
ある日のこと、キョウヤが私に直接聞いてきた。
今まで三人に名前を名乗らなかったことを、彼らは何か事情があるのだろうと察してくれて、何も深くは聞いてこなかった。
だけど、一年も経つとそうはいかなくなってきて。
新入りという名前も、呼び辛くなってきたのだ。
貴「名前……あるけど、使いたくないなぁ」
この頃になると、私は母親の顔を思い出そうともしなくなっていた。
そして、師匠の顔も。
事情があったにせよ、子供だった私にとって親しい人から捨てられることが、たまらなく悲しかった。
だから、そんな人がつけた名前をもう使いたくないという感情が段々と芽生え始めていたのだ。
キョ「そ……。じゃあ僕が名前をあげるよ」
貴「え？」
キョ「そうだなぁ……Aなんてどう？
今速攻で考えた名前で申し訳ないんだけどさ」
思いもしなかった。
キョウヤが私のために名前を考えて、しかもつけてくれるなんて。
気がついたら、私は涙を零していた。
貴「A……A……。
うん、凄く良い名前。
ありがとう、キョウヤ」
キョ「……どういたしまして、A」
私が新たな名前をもらった日。
今までで最高にいい一日だった。
ここから、私とキョウヤの仲は一層良くなっていった。
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霧の守護者 - ものっすごく面白かったです！便新待ってるのでヨロシク御願いします！ (2017年10月22日 0時) (
レス) id: 85a4490bed (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - すごく面白いです！更新頑張って下さいね。待ってます！ (2017年3月10日 22時) (レス) id: 058c745464 (このIDを非表示/違反報告)
雫(プロフ) - マカロンさん» コメントありがとうございます！よければこれからも、見続けてくれたら幸いです。 (2017年1月30日 19時) (レス) id: 9cc67b209f (このIDを非表示/違反報告)
マカロン - 更新お疲れ様です！ (2017年1月30日 17時) (レス) id: f2c2ccd8c9 (このIDを非表示/違反報告)
雫(プロフ) - 冬乃さん» 冬乃さん、合ってます。私が間違ってました。いや〜……今までずっとキャッバローネだと思ってました。キャバッローネなんですね。ご指摘ありがとうございました！直しときます！！ (2016年12月27日 16時) (レス) id: 9cc67b209f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雫 | 作成日時：2016年11月14日 14時
