✳ 佐智雄side ページ14
なんで俺は、できなかったんだろうか
唯ばっか構って、気にして、ろくに話もしなかった
あのとき、あんなこと言いたかった訳じゃねえのに
何度も繰り返す失敗
そしたら、Aだって、こんなことには
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「A」
「今度はなに？」
「唯の事だ」
唯が学校をサボるのは珍しくない
Aが襲われる前日以前にも唯はよく学校をサボっていた
ちょうど4ヶ月前の進級したばかりのころだった
バイトから帰ってきたAをリビングで待っていた佐智雄
「話したよ。ちゃんと学校行ってるでしょ」
「時間掛かりすぎてんだよ」
違う
「言いたいことはそれだけ？」
「最近帰ってくるの遅いよな」
違う
「だからなに？」
「唯が真似したらどうすんたよ」
違う
「……私がしてるのはバイト」
「とかいって遊んでんじゃないだろな」
違う
「唯唯しつこいんだけど」
「もういい？これから復習しないといけないの」
「逃げんじゃねえよ」
違う
「何なの」
「あ"？」
「口を開けば唯か、お袋って。私から話しかければ忙しいのなんの
一度だって聞いてくれたことないよね。小さいときからいつもそう。お母さんだって、唯ばっか
私が欲しいものなんて買ってくれなかった。我慢しなさいって
お姉ちゃん？だからなに。私が具合悪くても、唯優先で
家出しても、探してもくれなかった
中学の時なんかまともにコンサート来てくれなかったよね
双子なんだよ？
私は自分のためにバイトしてるの
遊び呆けてる唯とは違うの」
「てめえふざけんな」
ﾊﾞｼｯ
乾いた音が響く
「お前だけがガマンしてるわけじゃねえ。悲劇ぶるのも大概にしろ」
そこまでいい、俺は改めてAの顔を見た
垂れる髪の隙間からみえたのは予想以上に赤く腫れ上がった頬
そういえばAのこと叩いたのこれで2回目か
昔は俺よりA方がなんて考えてると
Aは涙を浮かべ唇を噛み締めていた
しまった
「……大っ嫌い」
俺の目をAの三白眼が射貫いた
一人残された佐智雄
違う。こんなこと言いたかったんじゃない
唯じゃなくて
なんで、俺は
始めてみたAの泣き顔が頭から離れない
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りこ(プロフ) - めっちゃこういったお話が大好きです！！！！！続き気になってます！ (2021年8月21日 3時) (
レス) id: 3171887382 (このIDを非表示/違反報告)
てと(プロフ) - 愛須ちょこさん» ご指摘ありがとうございます！駄作ですが頑張って完結へ向けたいと思います！！ (2021年4月23日 15時) (レス) id: af36bcfc49 (このIDを非表示/違反報告)
愛須ちょこ(プロフ) - 続きが気になる作品なのですが全ページに名前変更が適用されていないのと一か所誤字がありまし！ (2021年4月23日 4時) (レス) id: 4858e2de82 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：てと | 作成日時：2020年7月30日 14時
