𝗦𝗶𝘅𝘁𝗵 𝗱𝗮𝘆𝘀. ページ24
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華々しい夜の街も朝方になれば汚い一面、いや汚い部分しか見えてこない。
男と女が抱き合いながら踏み潰したゴミの山たち、担当に縁を切られてゴミの山の中で泣き腫らしている
どこかの姫、ぐしゃぐしゃに破かれたどこぞのホストの名刺、割れた空き瓶。
そんなものたちを避けながら帰るのも、もう6日目だ。明日でやっとこの生活が終わると思うと清々すると同時に少し、ほんの少しだけ寂しい気持ちもある。
いつも、いつも、来るときには綺麗になっている。それは、明那さんと不破さんと黛さんが綺麗に掃除をしているからだ。
私は知っている。
明那さんや黛さんは、裏方の仕事を責任もって自信持ってやり遂げてくれる。だから色んな人に信頼されている。店の中だけではなくて、この街全体の評判を良くするために働いてくれているのだ。
そして、不破さんも。不破さんは別にナンバーワンホストなのだから、バー.チャル.ホストクラブで働くだけでも十分に姫からの支持も、名声も十分に得られる。でも、それだけで満足する男ではない。この店のことを誰よりも大事に思っているのだ。この店を、この街で1番にするために、彼は奮闘しているのだ。
だから、姫に見られないにも関わらず、夜の獣のような足跡を毎朝毎朝掃除しているのだ。
____などと考えていたら、もう家に着いてしまった。
「ばいばい、刀也」
「………」
昨日の夜からだろうか、刀也は私の言葉に返答をしてくれなくなった。
ガクさんに相談しても『そのうち機嫌治るっすよ〜』と謎に余裕だ。だが、私は不安なのだ。刀也がこのまま私の知らない何かになってどこかに行ってしまうのではと。
試しにLINEもしてみる。
【刀也、おやすみ】
既読無視だ。
昔から知っている幼馴染にされるのが、1番辛い。
ひっそりと布団の中で涙を流してしまった。
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にゃーちゃん - ホストで女の子は、それはもうキャバ嬢では…?そういうホストもあるんですかね?知識不足ならすみません!内容自体は凄く面白いです!更新頑張って下さい。楽しみにしてます! (6月6日 21時) (レス) @page15 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:梓詩織 | 作成日時:2023年4月26日 19時