𝗙𝗼𝘂𝗿𝘁𝗵 𝗗𝗮𝘆𝘀. ページ16
.
さてさて、このバーチャルホストクラブでの職場体験も、今日を入れてあと4日。4日この地獄を耐えれば、私は花々しいJKの生活を謳歌できる!
とか言っても、私はクラスの隅っこで読書したり、たまにくる刀也と話したりするだけだが。帰りにカラオケとか寄らずに、刀也の部活終わり待って図書室で勉強して、一緒に帰るだけだが。
悪いか????!!!!
夜のお仕事というものは、やはり夜遅い。同じこと言っちゃったかな、今。
だから、朝早く起きる高校生にとって結構きつい。多分、しばらくは授業中、欠伸ずっとするかな。今は勤務中にずっと欠伸してるし。
欠伸しすぎるとガクさんにめちゃめちゃ怒られるから辛い。刀也ほどじゃないけど叱る。
嫌になりそうだけど、出勤しなきゃいけない時間だ。準備しなきゃ。
『刀也ー行くよー』
自分の部屋を出て鍵を閉めると、隣の部屋のドアをノックする。
すると、のっそりとドアが開いて、黒みの濃い髪が覗く。
「僕眠い」
『どうした、どうした?』
「朝から剣道部の奴らと遊びに行ってた」
目をこすりながら刀也がそんなことを呟く。眠そうに目は少しとろんとしており、話し方も幼児っぽい。体もいつもよりだらーんとしている。
こんな刀也を見るのは________
昨日ぶりだ。
昨日は私の方が寝起きがひどかったが、最近の刀也はいつもこんな調子だ。「もう遅刻していきましょう」なんて言って二度寝しやがる。許されるわけないでしょ!先生に怒られるよ????ガクさんにも????
『あ、そう』
「興味なしですか」
『どうりで…昼ノックしても声しないなーって』
実は、昼にも刀也の部屋に行った。だが、幾らノックしても叫んでも、なんの返答もなかったため、自分の部屋に籠りずっと寝ていたのだ。
「え、何かあったんですか」
気になっているのか、とろんとした目を頑張って開いて私を見ている。
『いやプリン作ったから____』
「え、Aのプリン?!」
目を輝かせる刀也。このまんま、家から引っ張りだして、ホストクラブ連れていこっかな。そしたら、がんがんに働くでしょ、こいつも。
『うん、でも刀也居なかったからもう私が食べた』
そう言うと、刀也の顔も目も一気に冷めた。ガタンとドアを閉めそうだったので咄嗟に刀也の腕を掴んで、ニコッと圧をかけると、急いで準備をし出した。
え、私そんな怖い?????
.
139人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
にゃーちゃん - ホストで女の子は、それはもうキャバ嬢では…?そういうホストもあるんですかね?知識不足ならすみません!内容自体は凄く面白いです!更新頑張って下さい。楽しみにしてます! (6月6日 21時) (レス) @page15 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:梓詩織 | 作成日時:2023年4月26日 19時