𝑃𝑟𝑜𝑙𝑜𝑔𝑢𝑒. ページ2
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拝啓、校長先生。
この度は、高校2年生にもなりまして、職場体験とかいうクソな行事を考えてくださって非常に感謝申し上げます。
ところで、先生。私はなぜこんな治安の悪いところに居るのでしょうか。
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私は今、ホストクラブに居ます。
妙に紫やピンクのライトが多い街並み。街ゆく人たちはみんな、異性を連れて歩いている。らぶほてる、とかいうあれですねそんなやつも近くにありますよ。
てか、職場体験よ????それでホストクラブに来るってどゆこと?
それから、らぶほの近くには高校生来させるべきじゃなくない???なぜに高校自ら悪い道を勧めるよ……。
そう、私ホストクラブに居るんですよ。でも、あまりにも入りにくくて、ホストクラブの目の前の明るすぎて眩しい照明の前に立ってる。
まあ、入らない言い訳としては、連れを待ってるから。
『まだ来ないかねぇ……集合時間19:00って言ったよな?アイツ』
18:54をさしている腕時計をぱちぱちと人差し指で優しく叩くと、私はホストクラブの軒並みの隙間。路地裏に飛び込んだ。
暗いところだからか、前も何も見えない。ことはないけれど。
月と星明りが目の前を照らす。ほんの少しだけ、眩しい照明の光も入ってくるが。
がたん、そんな音が聞こえた。
驚いて思わず、ビクッと肩を揺らしてしまう。
立ち止まって奥の方を睨みつけていると、煙草の匂いが香ってきた。
何やら奥には人が居るようだ。
気になってしまって、足をどんどん踏み入れてしまう。
もちろん恐怖だ。それでも、興味の方が勝ってしまう。
ぐしゃりと何かを踏んだ音がした。それと同時に煙草の匂いが強くなる。
「うわ〜派手に踏んだねぇ」
笑いながら喋っている男の声が聞こえてくる。
『誰、ですか?』
「いやいやこっちのセリフ」
よく見てみると、ホストのようだ。
わざわざセットした髪をかきあげて、煙草を吸っている。客にバレたくないから、こんな路地裏で吸っているんだろう。
ーーーーーーーでも、私が見つけてしまった。
やべえ、すぐ立ち去らなきゃ。
『見なかったことにするので………さよなら!!!!!』
「ちょっ、ちょっと待ってや!!!!!」
ホストさんのその声を聞こえなかったふりをして、その場から逃げ去った。
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にゃーちゃん - ホストで女の子は、それはもうキャバ嬢では…?そういうホストもあるんですかね?知識不足ならすみません!内容自体は凄く面白いです!更新頑張って下さい。楽しみにしてます! (6月6日 21時) (レス) @page15 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:梓詩織 | 作成日時:2023年4月26日 19時