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てかほんとこのジョングクさんなんですけど。

どっかで私をデリバリーできないか、いつも狙われてるのが、その熱視線で丸わかり。



『友達じゃない人に、名前教えない主義なの。ごめんなさい』



正直めんどい。






私が塩でも、ジョングクさんは全然めげない。

ちょっと日にちが空くとまた友達連れて来てくれたり、何かっちゃ電話でデリバリーしてくれたり。

私が常につけてるヘッドセットで、電話対応してるの私って分かってるからめちゃ掛けてくる。


でも、ほんと注文だけで雑談なし。


…そういうところは、ちょっとなんかプラスではある。

常識的な感じ?仕事中の私を困らせないように、配慮は感じてしまうよね。

それが計算づくなのか、本能的な駆け引き上手か知らないけど。






『私のどこが良いんですか?』





今まさにミート増し増し4種のピザ載せわがままピザを、もったり落ちるチーズの糸を指で切りながら、思った以上に大きく開く柔らかい唇で食べようとしてたジョングクさんに問いかけた。

ジョングクさんは本当に客とスタッフの一線を逸脱しようとせずに、ただ通ってくるもんだから正直私が煮詰まった。

なんせこの顔です。

この全身偏差値天井知らずの数値叩けるお体です。


私に構うのやめた方が、世界と人類のためなんじゃないかなって思ったんです。


ほんと終わらせるつもりで聞いてるから、私の顔は愛想もなく笑顔もなく、瞼は相変わらずの腫れっぷりで目も開かないほど伏せてるし。

JK「目合わせてくれないのは、照れてるの?寝てるの?」

『合わせたいけど眠くて目が開かないんです。だから返答もらえたら、すぐに帰って家で寝ます』

JK「なんでそんないつも眠そうなの?学生さんだから?勉強そんな大変?」

『…なぜ、私が学生だと』

JK「店長さんから聞いた」


店長…完全にスタッフの個人情報漏洩ですよ。

まあいい、あとで、お金で解決してもらおう。

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作者名:フネ55 | 作成日時:2023年4月7日 11時

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